
8月21日より、東京都品川区の六行会ホールで、キッズ&ジュニアミュージカル「ドレミファ空からドレミファ空まで」の公演が開催されます。稽古に励む子どもたちと、主催であるブイラボミュージカル代表の滝井サトルさんにお話を聞きました。
――ブイラボミュージカルについて教えてください
東京・西新橋を拠点に活動するミュージカルカンパニーです。2015年に設立して以来、キッズからシニアまで幅広く表現の場を提供しています。もともと僕は音楽を使った芝居が好きで、長らく演劇活動に従事してきました。
キッズミュージカルをはじめたのは今から2年ほど前になります。高校教員や子役事務所で演技講師をしたことがあり、その経験から「ミュージカル×教育」を深めたいと考えました。

――「ミュージカル×教育」について教えてください。ミュージカルのどんなところが子どもたちの教育に繋がると思いますか?
三つあります。一つ目は「多様性の確保」です。「自分以外の当たり前に気づける場所」とも言い換えられます。今「ドレミファ空からドレミファ空まで」の稽古を毎週していますが、ここには学校や年齢、性別の違うお子様方が47人もいます。特に年齢で言うと年長から高1まで、その差は10歳以上です。同世代で過ごすことの多いお子様方にとって、異年齢から学べる貴重な場なのではないかと思います。

二つ目は「自分とは違う価値観に出会える」ということです。一つ目と同じように聞こえますが、大きな違いは「役から学べる」ということです。例えばですが、トマトが嫌いな子がいるとします。その子がトマトが好きな役柄を演じることになったら、「自分は嫌いだけど、自分が演じる役柄はトマトが好き」という矛盾が生まれるんです。そこで、トマトが好きな人の気持ちになりきったり想像したりすることで、何なら実際にトマトを口にすることで、自分の知らなかった世界を見つけることができるんです。食べ物の好き嫌いの話を例に出しましたが、「自分とは違う考え方に出合える」という体験ができるのは魅力ではないでしょうか。

そして三つ目は「肯定感につながる場」ということです。8月の本番では、200名の観客が収容できる六行会ホールで公演します。200名を前に芝居をして歌を歌う、こんな体験、なかなかないですよね。引っ込み思案だった子が、ミュージカルの出演をきっかけに自分の意見を堂々と言えるようになった、なんてのは業界あるあるなんです。
――「ドレミファ空からドレミファ空まで」はどのようなミュージカルなんですか?
とある学校の合唱部を舞台にした少年少女の成長物語です。魔法使いの試験に落ち続けている「ソラ」という子が主人公で、ある日母親がソラに秘策を授けようと1枚の紙を渡します。そこには4人の人間の名前が載っていました。女子バスケ部のエース「アオイ」、サッカー部の小谷翔平に恋する「ここね」、受験を控え日々猛勉強の「ゆーき」、たった1人の合唱部員「奏音」。ソラの母は続けて「4人を幸せにすることができたら、あなたは一人前の魔法使いよ」と言います。そしてソラは4人が通う学校に乗り込んでいく。果たしてソラは一人前の魔法使いになることができるのか、というお話です。

このミュージカルの特長はやはり「音楽」ですね。丸美屋食品ミュージカル「アニー」に音楽監督として参加した小澤時史さんが作曲をしています。一度聞いたら忘れられない素敵な歌がたくさんあります。キャストの家族やお友達だけでなく、一般のお客様も楽しめる内容になっていると思います。
――最後に、一言メッセージをお願いいたします
このミュージカルのコンセプトは「皆の成長×お客様の笑顔」です。これはお子様方と一緒に決めました。4月のオーディション以降毎週土日祝、「お客様の笑顔」のためにみんなで稽古を頑張っています。是非、お子様方の本気を観てきてください。
「ドレミファ空からドレミファ空まで」W主演の福本翔貴さん(小学6年生)と並木心春さん(中学1年生)にもインタビューをしました。

――主演が決まった時はどんな気持ちでしたか?
福本翔貴さん(以下福本):今までたくさんのミュージカルに出てきましたが、主演は未経験でした。なので、嬉しさと不安が入り交じった気持ちになりました。
並木心春さん(以下並木):私もです。私は翔貴くんほどミュージカル経験も無いので不安の方が強かったです。でも稽古を重ねる中で自信がついて、今は自分を信じてやってみようという前向きな気持ちです。
――稽古をする中でどんな事に気をつけていますか?
福本:「台詞の矢印」です。稽古中によく「その台詞は誰に向かって話してるの?」と指摘されるので、届けたい人の顔や目をしっかり見て話す事を意識しています。
並木:私は歌です。ミュージカルの歌はカラオケとは違うので、歌詞が流れないように一音一音はっきりと感情を込めて発声しています。
――最後に、「ドレミファ空からドレミファ空まで」を楽しみにしている方にメッセージをお願いします
福本: お客さんの笑顔のために、毎週長時間稽古を頑張っています。ソラが一人前の魔法使いになれるのか、是非多くの人に見届けてほしいです。
並木:このミュージカルは主役のソラ以外にも、メインキャスト一人ひとりにストーリーがあります。是非、お話の方も楽しんで欲しいです。
▼出演者やタイムテーブルなどの詳細はこちらから
https://vlab-musical.net/doremifa/
提供・ブイラボミュージカル