
「時と時計」のこと、楽しく学んだよ
みんなで、時について考えよう!セイコーグループ株式会社では、さまざまな角度から「時と時計」について学ぶ<セイコーわくわく時計教室>を実施しています。日々の暮らし、社会生活の様々な場面で欠かせない時計。その歴史や役割、正確な時間を刻むための技術を知り「時と時計」を楽しく学んでもらうための教室です。今回は「セイコーわくわく時計教室 日時計編」としてセイコーミュージアム銀座、セイコーハウス銀座で開催されました。2人のこども記者も教室に参加し、時計の成り立ちや歴史、技術の進化を学びながら、日時計作りにも挑戦。“豊かで楽しい時間”を体験しました。
主催/セイコーグループ株式会社
時計の歴史/時計は、私たちに必要な「時間」を教えてくれる
この日、教室に参加したのはこども記者を含めた10人の小学生と保護者の方々。
「こんにちは、セイコーわくわく時計教室へようこそ!今日はみなさんと“時間について”楽しく学びたいと思います」。講師の濱 純子さんの挨拶で授業は始まりました。
授業のはじめに、セイコーという会社について話を聞きました。セイコーは、1881年に誕生した日本の会社。明治、大正、昭和、平成、そして令和、五つの時代をとおして「時」と向き合い続けてきた会社であること、そして腕時計、目覚まし時計をはじめ、多くの日本初、世界初を世に出してきたことなどが紹介されました。

「では、質問! みんなは、どんな時に時間を意識しますか?」 朝起きる時、ご飯を食べる時、スポーツをする時、さらに学校が始まる時間、遊ぶ約束の時間、バスや電車に乗る時間。思い思いに答えます。「そう、時計が伝える正確な時間というのは、私たちの日常の暮らしのいろいろな出来事を支えてくれています。それだけに、時計は今も昔も私たちの暮らしに欠かせないものといえますね」。

「次の質問! 人はいつから時間を意識したと思いますか?」 さらに、「人が初めて時間を知るために使った道具は?」の質問に、「日時計!」と児童が答えました。「そう正解!」。日時計は、今から7000年ほど前、エジプトで生まれたそうです。農業を始める時に雨が降ったり、川が氾濫したり。でも、前もってその時期を知ることができれば、もっと生活は豊かになると考えました。そのため、当時のエジプトで生まれた日時計は、季節を予測したり、種をまくタイミングを計る“時間を見える化”した道具だったといえます。このように、昔から私たち人間は、時間と向き合い、自然と共存しながら、生活をより豊かにしようとしてきました。まさに今、国際社会共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の考え方に近いことをすでに実践していたといえます。
ミュージアム見学/時計の歴史や技術の進化を知ろう!
座学のあと、セイコーミュージアム銀座の3階、4階を見学。今回は特別にセイコーミュージアムの説明員が館内を案内してくれました。
3階展示は“自然が伝える時間から人がつくる時間”。座学で学んだように、時を計る道具(日時計)は今から7000年ほど前にエジプトで誕生して以来、仕組み、精度、大きさの面でも大きく進化してきたことを知りました。太陽の動きに合わせて日時計の影が動く仕組みを見たり、水時計やロウソクや線香に火をつけて時間を計る燃焼時計、さらに「和時計」は日が昇り、沈むまでの時間を季節ごとに変えて計っていることも知りました。そして4階展示は“精巧な時間”。正確な時間を作り出すためのセイコーの技術やクオーツ技術の発展を知りました。国産初の腕時計や目覚まし時計の実物展示も見ることができました。

日時計づくり/さあ、世界で一つの日時計を作ろう!
ミュージアム見学から戻り、授業後半の始まりです。はじめに、日時計の計り方を簡単におさらいしました。
「日時計の原理、まず、“太陽の方角”で時刻を知ることができます。太陽が東から昇り、南に進み、西へと沈んでいく。地球は一日一回自転しているので、24時間で360度回ることになり、1時間に15度東から西へ太陽が動き、それとともに影も動いていきます。このように、方角で時刻を知る日時計にも様々な形があります。そして、“太陽の高さ”でも時刻を知ることが出来ます。季節によって太陽の高さは変わります。そのため、夏、夏至だと影は短く、冬に近づくと影は長くなってきます。この影の長さで、時刻を知る日時計にもいろいろなデザインがあります」。

さあ、いよいよ日時計作りの始まりです。作るのは<コマ型日時計>。台紙、色鉛筆、作り方の3点セットが配られ、説明を聞きながら組み立て開始。台紙から日時計の部分を切り離し、のり、はさみを使うことなく、山折り・谷折りで、みんなどんどん完成に近づきます。そして、出来上がった日時計に色鉛筆で思い思いのデザインを施し、“世界でたった一つの日時計”を完成させました。


日時計の実験/時計塔のあるセイコースカイガーデンへ!
完成したコマ型日時計を手に、銀座4丁目のセイコーハウス銀座に移動しました。実験場所は、時計塔のある屋上のセイコースカイガーデン。普段は入ることができませんが、今回は特別に立ち入ることができました。到着とほぼ同時に、午後3時を知らせる鐘が銀座の街に鳴り響きました。この日はあいにくの曇り空、太陽は隠れていました。でも、広々とした屋上で日時計を手にしたみんなは満面の笑顔。スタッフの方から「陽の当たるところで、日時計の軸を真北に向けて地面と水平に置いて。軸の影の位置が時間を示します」と説明を聞きます。本来なら陽が射す位置にスタッフの方が照明を当て、みんなは自分で作った日時計を光にかざし、その出来栄えや役割を実感していました。

授業の最後は、銀座の街に今も「時」を伝え続ける時計塔をバックに、保護者も入っての記念撮影です。“満たされた時間”を参加者みんなで共有することができました。

「セイコーわくわく時計教室」を取材した2人の感想
岡本さん 小学3年生
太陽が動くと影も動く。これから学校の授業で学ぶ話が聞けて、今日の授業はとてもためになりました。日時計作りは楽しかったし、時計塔の大きさには驚きました。もう一度ミュージアムを見学したくなりました。
竹原さん 小学4年生
今日は時計の歴史を学べて、実際に昔の時計を見ることができてうれしかったです。日時計作りがとても楽しかった。実際に太陽にかざしたらどうなるか、晴れた日に家でやってみようと思います。
セイコーミュージアム銀座
https://museum.seiko.co.jp(外部サイト)
入館料無料 月曜・年末年始休館 開館10:30~18:00
ウェブサイトで事前に予約が必要です。

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