
全国各ブロックの激戦を勝ち抜いた4チームが激突!
日本一の小学生プログラマーを決める「全国小学生プログラミング大会 ゼロワングランドスラム」の決勝戦が、11月26日(日)に池袋・サンシャインシティ アルパB1 噴水広場にて開催されました。本大会は3人1組のチームで、ともに協力し合いプログラミングの知識やスキルを駆使して競技に挑むもので、実況や中継カメラも入り、エンタメコンテンツとしても楽しめるものになっています。当日、全国の予選を勝ち抜いた4チーム、※10名の小学生プログラマーが白熱した試合を繰り広げました。
※1チーム3人構成ですが当日2人が体調不良のためリモート応援
■2つの競技に挑戦し、獲得ポイントの合計を競います

決勝戦は「ロボット競技」と「ゲーム開発競技」の2競技にチャレンジします。会場に集まった観衆の皆さんに、司会者と解説者からその内容が紹介されました。
<ロボット競技>
2回戦に引き続き、自分で組んだロボットをプログラミングで制御し、フィールド上のオブジェクトを高得点エリアに落として、合計点数を競う競技です。2回戦同様、使用するロボットは選択性を採用し、ロボットプログラミングにおいて、広く学ばれている「アーテックロボ」「KOOV」「SPIKEプライム」から1種を選択していただきます。決勝戦ではチームごとの対戦となり、同チーム内での協調性や戦略性をもって取り組むハイレベルな競技設計になっております。
<ゲーム開発競技>
制限時間内にお題となるゲームを開発する「ゼログラハッカソン」を進化させた競技です。今回は、複数人で同時に編集できるビジュアルプログラミングアプリ「プログミー」を競技ツールとして採用し、チームメイトの3名でひとつのゲームを完成させてもらいます。こちらも、決勝戦ではチームごとの対戦となり、プログラミングの知識やスキルに加えて、コミュニケーション力や協調性も問われる、まさに仲間と力を合わせる「ゼロワングランドスラム」の理念を反映した競技となります。
どちらもプログラミングの知識やスキルとともにチーム内のコミュニケーションや協調性などチーム力が問われる、大会の理念を反映した競技です。
■会場の期待感高まるなか、競技スタート!

オープニングとともに観衆も続々と増え、会場の雰囲気も高まってきたところでAチーム(東日本:東海・中部ブロック代表)、Bチーム(東日本:関東ブロック代表)、Cチーム(西日本:東海・中部ブロック代表)、Dチーム(西日本:九州・沖縄ブロック代表)の選手がステージに登壇、みんなちょっと緊張気味かな。
いよいよ「ロボット競技」のスタート。2チームずつがバトルするスタイルで、競技時間は5分。さあ、自慢のロボットで、フィールドに散らばるターゲットを落とせ! バトルの様子はステージ後方の大型スクリーンに映し出されていて、会場にいる人は選手目線で楽しむことができます。プログラミング画面も投影され、パラメーターの設定やセンサーの活用などチームごとのアプローチの違いなども紹介されました。
バトルは白熱! 選手は夢中! 応援席はヒートアップ! 大きなアームでサイコロを一気に囲い込んだり、3つのアームを自在に操ったり、シンプルなロボットで正確にポイントを稼いだり。巧みな動きに実況のテンションもあがり、会場全体が大いに盛り上がりました。さすがは決勝戦、各チームの個性をいかしたハイレベルな戦いが展開されました。
■30分でゲームをつくる そんなことが可能なの?

「ゲーム開発競技」のお題は、一匹のてんとう虫のキャラクターが提示され、これを用いてオリジナルゲームを開発せよ、というものでした。作戦タイムは10分、ゲーム開発が30分。解説者が「短い時間なので、選手にとっては厳しいルール設定ですが、彼らはお互いに1言えば10わかる想像力と目指すゴールの把握力がある小学生たちなので期待したいです」と語るなか、各チームとも意見を交わしながらボードにメモを取り、プログラミングの設計を進めます。
仕上がったものはいずれも会場中を驚かせるものでした。Aチームは「佐渡島に大量発生した害虫を倒せ」というタイトルで、てんとう虫から黒い害虫が吐き出され、それを迎え撃つ弾幕系のシューティングゲームに仕上げました。Bチームは黒とカラフルなてんとう虫が現れる鬼ごっこ系のゲーム。草むらに逃げ込むと見えなくなり体力も回復するプログラミングが組まれていました。会場はその発想、世界観などに惹き込まれ、審査員からはコードに関する質問などが相次ぎました。
Cチームは「迫りくる虫から畑を守れ!虫バスターズ!」というタイトルで畑を襲ってくるてんとう虫たちを網で捕獲するゲーム。虫の出現する速さを変数で調整しています。Dチームは軽快な音楽をバックに上から降ってくる虫たちをロボットが旗を振って捕獲するゲーム。旗の滑らかな動き、ダメージによってロボットの色が変化する点などに工夫が見られました。
■優勝の栄冠はDチームに!各チームの戦いにみんな感動!

各チームの実力が伯仲し、スコアも非常に接戦になりましたが、2つの競技の集計の結果、優勝に輝いたのは、西日本:九州・沖縄ブロック代表のDチーム! 表彰式で「めちゃ、嬉しいです!」と歓びを爆発させました。
総評として審査員、解説者などから「ロボット競技とゲーム開発というまったく違う二つの競技の両方で高得点を取るところがすごく格好良かった」「素晴らしい大会でした。モノづくりの特徴である、みんなで協力して一つのものをつくりあげる良さが十分に感じられました」「アイデアやチャレンジスピリッツに沢山の感動をいただきました。将来は世界を変えるプログラマーになってください!」と賞賛の言葉が相次ぎました。
素晴らしい試合が繰り広げられたゼロワングランドスラム決勝戦は、会場の大きな拍手に包まれて幕を閉じました。

■大会終了後、優勝、準優勝チームの選手たちにコメントをもらいました
優勝したDチーム

金城亜蓮さん(4年生)
優勝と個人的にMVP、企業賞もいただき、トリプルで獲得できて信じられません。今日はロボット競技でチームに貢献できて嬉しいです。大会を通してプログラミングがうまくなり成長できました。今後、もっと成長したいと思います。
菅倫瑠さん(6年生)
みんなで「絶対優勝しよう!」とのぞんだ大会でした。役割分担とチームワークの力で実現した優勝で、すごく嬉しいですがまだ実感がわきません。将来はIT分野に進んで、アプリ開発などに携わりたいと思っています。
関博升さん(6年生)
前回も出場し負けてしまったので今年は絶対勝ちたいと思っていました。だから最高に嬉しいです。ゲーム開発は、普段練習して身につけた力を発揮でき、イメージ通りにつくれました。将来はロボット開発に取り組んでみたいです。
準優勝のBチーム

竹村葉太さん(6年生)
メンバーの樋野友晴君が体調不良でリモート参加になりましたが、樋野君の分まで頑張ろうと思い、準優勝できてよかったです。プログラミングは想像通りに動くことが楽しいし、失敗してもそこから学ぶことで成長できると思います。
塚原和真さん(5年生)
2回戦以降、3人で協力してきたことでチームワークを育むことができました。今日はその力を発揮できたと思います。プログラミングは失敗を繰り返すとコツがわかってきて楽しいです。将来はゲーム開発者になりたい。
■目指せ!日本一の小学生プログラマー

小学生プログラマーの頂点を目指す戦いは、2024年度も開催されます。プログラミングに自信のある小学生はぜひチャレンジしてみてくださいね。

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