国と国の関係はよくなったり悪くなったりしながらも、文化の交流は途切れることなく続いてきました。BTSをはじめ、韓国のポップ音楽「K-POP」は世界的に人気です。日本側から見た韓流ブームの変遷をたどります。
第3次以降は日韓混成も
日本での韓流ブームは2003年、ドラマ「冬のソナタ」の放送をきっかけに始まったといわれます。10年ごろ、男性アイドルの東方神起や、女性アイドルの少女時代などが人気に。これが第2次ブームです。その後、BTSや女性アイドルTWICEなどが世界的に活躍し、16年ごろに第3次ブームが起こりました。ドラマ「愛の不時着」(19~20年)、「梨泰院クラス」(20年)などがヒットし、現在は第4次ブームだとされます。



TWICEは、メンバー9人のうち3人が日本人。日本人9人組のNiziUは、韓国のJ.Y.Parkさんがプロデュースしています。映画界では、日本の是枝裕和監督が「ベイビー・ブローカー」(22年)を韓国で製作。主演のソン・ガンホさんがカンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しました。文化・芸術面での結びつきは強まっています。

政治状況に左右されない
朝中高読者の特派員(東京都・高1)は中1のころ、TWICEのミュージックビデオを見て好きになりました。「韓国や台湾のメンバーが日本にたくさん興味を持ってくれていて、親近感がわきました」。一方で、動画投稿サイトで、日本人のふりをした韓国人が韓国でタクシーに乗り、冷遇される内容の動画を見て複雑な思いをしたことも。「私みたいなK-POP好きもいるし、日本のアニメやドラマが好きな韓国人もいる。その結びつきがさらに強くなっていけば」と願います。
別の特派員(神奈川県・高2)も小5のころからのTWICEのファン。その後、ドラマや映画にも熱中し、アイドル出身の俳優ペ・スジさんが「推し」です。
字幕なしで映像作品を楽しみたいと、中学に上がってから独学で韓国語の勉強を始めました。昨年、韓国政府が主催する韓国語能力試験で、最難関から2番目の5級を取得しました。
「文化の交流は政治状況に左右されない。状況がよくても偏見を持つ人はいるし、悪くても固定のファンはお互いにいる」と考えます。
神戸大学大学院の木村幹教授は「そもそも政治と文化は切り離して考えるべきもの。今の若い世代は、それが自然にできている。感情に左右されたひと昔前より、ずっと健全です」と話します。
(朝日中高生新聞2023年6月18日号)

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