やるべきこと、すぐにできないな
夏休みの終わり、ためてしまった宿題を片づけるのが大変だったという人はいませんか? 早くやったほうが楽なのに、ついつい、いつも後回しにしてしまう――。そんな自分から卒業したい人に向けて、心理学を研究する筑波大学教授の外山美樹さんにアドバイスを聞きました。(関田友衣)


なまけているのではなく、いろいろな心理が関係
やらなければならないとわかっていることを、自分でも「よくない」と感じながら、つい後回しにしてしまう。この現象を「先のばし」とよぶと外山さん。
「早く宿題をやらなくちゃ」とそわそわしているのに、だらだらゲームをし続けてしまうのも一つの例。先のばし中は心が落ち着かないものですが、「それをわかっているのに、何度もくり返してしまうのも先のばしの特徴です」。
自分は先のばしのくせがあると、ドキッとした人もいるかもしれません。おうちの人に「すぐなまける」としかられた覚えがあるという人もいるでしょう。しかし外山さんは「めずらしいことではない」といいます。
「20年前の調査ですが、大学生の9割以上がよく先のばしをするというデータもあります。今はユーチューブやティックトックなど、手軽に気をそらせる刺激が増え、先のばしはだれもがすることになっていると思います」
また、先のばしをしてしまう理由は、ただなまけているからではないそうです。「自信がない、完璧にやろうと思いすぎて始められないなど、いろいろな心理が関係していると考えられています」
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「だめな人間」と自分をせめないで
具体的で無理のない目標を立てる
では、先のばしをやめるためにはどうすればいいのでしょう。「勉強をしなければいけないのに、だらだらスマホを見てしまう」という例を元に、すぐ取りかかれるようになる目標の立て方や実行の仕方を、心理学の研究者・外山美樹さんに聞きました。
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