
新米の季節がやってきました。今年も新米の値段が高いので、2024年産の古米や、備蓄米をえらぶおうちも多いかもしれません。新米も古米も、どちらもおいしく食べるには? 気になる値段の行方は? 小池精米店(東京都渋谷区)の小池理雄さんに聞きました。(戸井田紗耶香)
新米 今年も高値/むずかしい増産
今年も新米は高値が続いています。小池さんのお店で販売中の新米、佐賀の「七夕こしひかり」の値段は5キロ5500円。農家から仕入れる玄米の価格が上がった影響で、去年の販売価格と比べると1.5倍ほどだといいます。

「今後、お米の価格がどうなるのか、本当に読めません。今年は高いままの水準が続くのでは」と小池さんは見ています。政府は、お米を栽培する量を増やす増産を発表しましたが、「いきなり増産するのはむずかしい」と小池さん。「農家はもともと働き手が足りていません。種もみ(稲の種)など、準備が間に合わない農家が多いのでは」

備蓄米 状態よくふつうにおいしい/においは備長炭でとる
お米は約1千の品種が登録されています。そのうち栽培されているのは300品種ほど。「これだけ種類があって、品種ごとに味や食感のちがいを楽しむのは日本だけでは」と小池さん。海外の人に話すと、「お米に種類があるの?」「品種ごとに味がちがうなんて想像できない」といった反応が返ってくるといいます。
今なら、備蓄米もえらべます。収穫から数年がたった古米ですが、新米と比べるとおいしくないのでしょうか。小池さんは、「私の店で販売している2021年産の備蓄米はびっくりするほどおいしいです」と話します。「冷蔵庫がなかった時代、古米はかびるなどしたようです。でも、備蓄米は温度や湿度が管理された倉庫で保管され状態がよい。ふつうにおいしいお米です」

ただし、独特のにおいがすることも。炊飯用の備長炭を入れて一緒にたくと、においをとってくれるといいます。
新米も古米も「水にしっかりつける」のがおいしさのひけつです。「新米なら夏は30分、冬は1時間。古米はその倍の時間、水につけましょう」
家での保存は、米袋から密閉できるいれものにうつし、暗くてすずしい場所で。「お米は農産物なので、野菜と同じように冷蔵庫で保存するとよいです」
米農家 後継者不足が深刻
値上がりの要因に外国人観光客の増加

備蓄米は、ひどい不作にそなえて政府がたくわえているお米です。毎年、農家から原則20万トンほどを買い、湿度と温度を管理した倉庫で常に100万トンほどを保管。使われずに5年たつと、家畜用のえさになります。
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