新米 今年も高値/むずかしい増産

今年も新米は高値が続いています。小池さんのお店で販売中の新米、佐賀の「七夕こしひかり」の値段は5キロ5500円。農家から仕入れる玄米の価格が上がった影響で、去年の販売価格と比べると1.5倍ほどだといいます。

「今後、お米の価格がどうなるのか、本当に読めません。今年は高いままの水準が続くのでは」と小池さんは見ています。政府は、お米を栽培する量を増やす増産を発表しましたが、「いきなり増産するのはむずかしい」と小池さん。「農家はもともと働き手が足りていません。種もみ(稲の種)など、準備が間に合わない農家が多いのでは」

佐賀の「七夕こしひかり」は、新米が出回り始める今の時期しか手に入らない品種のひとつ。そういうお米を食べてみるのも、新米の楽しみ方としておすすめです(小池さん)=8月28日、東京都渋谷区

備蓄米 状態よくふつうにおいしい/においは備長炭でとる

お米は約1千の品種が登録されています。そのうち栽培されているのは300品種ほど。「これだけ種類があって、品種ごとに味や食感のちがいを楽しむのは日本だけでは」と小池さん。海外の人に話すと、「お米に種類があるの?」「品種ごとに味がちがうなんて想像できない」といった反応が返ってくるといいます。

今なら、備蓄米もえらべます。収穫から数年がたった古米ですが、新米と比べるとおいしくないのでしょうか。小池さんは、「私の店で販売している2021年産の備蓄米はびっくりするほどおいしいです」と話します。「冷蔵庫がなかった時代、古米はかびるなどしたようです。でも、備蓄米は温度や湿度が管理された倉庫で保管され状態がよい。ふつうにおいしいお米です」

小池さんのお店で販売している備蓄米。2021年産(古古古米=購入当時)で、5キロ2400円

ただし、独特のにおいがすることも。炊飯用の備長炭を入れて一緒にたくと、においをとってくれるといいます。

新米も古米も「水にしっかりつける」のがおいしさのひけつです。「新米なら夏は30分、冬は1時間。古米はその倍の時間、水につけましょう」

家での保存は、米袋から密閉できるいれものにうつし、暗くてすずしい場所で。「お米は農産物なので、野菜と同じように冷蔵庫で保存するとよいです」

米農家 後継者不足が深刻

値上がりの要因に外国人観光客の増加

倉庫内に積まれた備蓄米=2月、埼玉県内 朝日新聞社

備蓄米は、ひどい不作にそなえて政府がたくわえているお米です。毎年、農家から原則20万トンほどを買い、湿度と温度を管理した倉庫で常に100万トンほどを保管。使われずに5年たつと、家畜用のえさになります。

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