
「己の正義」の散りざまが熱い!
みなさん、初めまして! フースーヤ谷口理です!
今回私がオススメしたい漫画は「ちるらん 新撰組鎮魂歌」。タイトル通り、幕末(江戸時代末期)に実在した新撰組の話です。歴史に興味がないわ!と避けてしまうかもしれないけれど、漫画だからこそ教科書よりも授業よりも楽しく歴史に触れることができます。

第1話の始まりは明治時代の北海道・小樽。市川真琴という記者が新撰組のすべてを聞くため、「杉村義衛」こと新撰組二番隊組長を務めた永倉新八に会いに行きます。そして主人公・土方歳三との出会いを振り返るところから物語は始まります。結成された新撰組は、徳川幕府に従う「幕府側」。当時勢いがあった、現体制をぶっつぶそうとする「倒幕派」と対立します。日本という国をよくしたい、その一心で命を懸けて自分の正義を貫く若者たちの生きざま、死にざまが、すごくドラマチックに見える! 登場する人物全員がです。
ものすごく緊迫している戦闘シーンは、ぜひ見てほしい! 刀で斬り合う命のやりとりがいかに危険で、いかに一瞬の判断ミスが命に関わるのか、ということが読み手にも伝わります。また「己の正義」というものがそれぞれの登場人物にあって、それを達成できずに散っていく人たちの無念さや、後悔なく生きることができた人たちの散りざまが、ものすごく丁寧に描かれているのも必見です。
これは作り話ではなく明治維新の頃に実際に起こったこと。登場人物たちが160年ぐらい前に実在していたんや!と想像しながら、胸を熱くして読んで!
谷口理(たにぐち・おさむ)
1993年生まれ。吉本興業所属、お笑いコンビ「フースーヤ」(相方:田中ショータイム)。大阪を拠点にテレビやよしもと漫才劇場、YouTubeなどで活動中。M-1グランプリ2023準決勝進出。
(朝日中高生新聞2024年5月19日号)
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