
――28歳で宝塚歌劇団を退団したのを転機に、テレビドラマや映画の出演と、仕事を広げていきました。
10代、20代、30代くらいまでは、いろいろな選択肢があるから「これを選ぼうか、あっちを選ぼうか」と思っていました。選択肢がある分、「こっちにいったらこうなる」と迷うし、「これを手放したらもったいないのでは」と悩みます。年齢が上がると、選択肢が狭まります。どんどん手放していって、手持ちのいくつかの中から「これ」と選べばいい。自分の進みたい方向もはっきりわかる。そしたら、ドンと一本道が見えました。そこを一生懸命走ればいいと思っています。
それは、私にとっては楽なことでした。年齢が上がったことのよかった点です。
――ドンと見えた、天海さんの一本道。その先には何があると思いますか。
若いころは「元気を与えられる人になりたい」と、生意気なことをいっていました。その気持ちにうそはありません。最近思うことがあるんです。新型コロナウイルスがはやった2020年ごろでしょうか。私たちの仕事って、医療従事者のように、最前線で人の命を救うことはできない。でも、そういう方たちにはできない励ましができると信じています。
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