
「1人」を意識 自分も相手も尊重
――右近さんの自主公演「研の會」では、同世代の俳優のみなさんが助演などで協力していますね。
もう寄ってたかってという感じで(笑)。でも「みんなで一緒にやっていこうぜ」ではなく、「俺1人になっても大丈夫」とみんなが思っている。ひとりぼっちが集まっているという意識を持つことが、相手への愛と尊重を失わずにいられる方法なんじゃないかな。一緒だと思うと、違いが気になるから。俺も1人、あんたも1人と思うことで、自分らしくいられる。
20代の頃は自分の城を築かなくちゃと思って、「やばい、俺は遅れている」って気になっていた時期もありました。今は、歌舞伎というみんなの城を、それぞれの持ち場で守っている感じかな。今月俺は外堀だから、二の丸のあいつを見てあげる余裕もあるな、って。
(1月に歌舞伎座で上演した)「二人椀久」は、7年前に「研の會」で(中村)壱太郎さんと踊って「いつかは歌舞伎座で」と話していた作品。実現したからには、自分たちの代名詞になるような作品をめざしていかなくてはならない。壱太郎さんとはずっと青春が続いているけれど、その青さが深まってきた感じです。
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