
ボランティアが学習を支援
「西荻クリキンディのひとしずく」(東京都杉並区)
東京都杉並区で飲食店を経営する柿添嘉伸さん(66)は学習の支援と夕食を提供する子ども食堂「西荻クリキンディのひとしずく」を開いています。JR西荻窪駅から歩いて8分ほどのNPO法人の施設内で、開催は月2回。4月24日には、4組が参加しました。
小3~高校生は無料で利用
高校3年生の2人は、数学や英語などの資料を持ってきていました。「集中できて勉強がはかどる」「わからないところは教えてもらえるところがいい」といいます。会場には、学習を支援するボランティアがいます。ボランティアは、タブレットを使いながら数学の公式の解き方について説明していました。
小学生と保護者も来ました。保護者は「それぞれのペースで勉強できるし、みなさんの話を聞くのも楽しい」と話します。
この子ども食堂は、小学3年生から高校生が対象で、事前に予約が必要です。家庭の事情に関係なく利用できます。子どもは無料、保護者は300円です。
地域のため活動 仲間づくりにも

勉強している間、柿添さんは調理場で夕食を作っていました。メニューは日によって違います。この日は、沖縄風のメニュー。もずくの天ぷら、豆腐チャンプルー、サラダ、ごはん、みそ汁。デザートはバナナでした。
夕食の時は和やかな雰囲気に。参加者から「もずくの天ぷらを食べたのは初めて」「夕食がいつも楽しみ。前に食べた肉じゃがもおいしかった」といった声が聞かれました。
柿添さんは月に1回、弁当を無料で配布する活動もしています。「地域のためにできることをしたい」といいます。
飲食業に30年近く携わっていますが、新型コロナウイルスの感染が広がった時など、経営が厳しくなったことがあったそうです。
当時、拡大防止のため、営業時間短縮などの要請に応じた事業者に対して東京都から協力金が支払われました。柿添さんは協力金を少しでも地域に還元しようと、2021年に無料で弁当を配布する活動を始めました。
同年、市民グループを立ち上げ、クリスマス会などのイベントも開催。23年、学習支援付きの子ども食堂を始めました。
子ども食堂などを続ける理由は「仲間ができるし楽しいから」といいます。「活動を知ってもらい、若い世代が引き継いでくれることを願っています」
(朝日中高生新聞2025年5月4日号)
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