受験勉強に「没頭」するコツは「睡眠」「誘惑断ち」「食事」。受験形式は「化学の実験」「『学びの履歴書』提出」「ポスターセッション」など多様化──。「Studyplusトレンド研究所」が全国の大学受験生ら2,399人を対象とした「受験勉強、進路に関する調査」から、そんな状況が明らかになりました。

スマートフォンの普及や新型コロナウイルス感染症といった影響を受けて、〝スマ勉〟(スマホを使った勉強)やオンライン学習が広く浸透するなど、受験生を取り巻く環境はここ10年ほどで大きく変化しています。調査は2023年11月、学習管理アプリ「Studyplus」ユーザーの高校3年生、浪人生、大学1~2年生を対象に、同研究所と大塚製薬のバランス栄養食「カロリーメイト」の共同で実施されました。

「今までの受験勉強を振り返って、漢字一文字であなたの気持ちを教えてください」(自由記述回答)と尋ねたところ、上位3つは「辛」(263票、11.0%)、「苦」(249票、10.4%)、「楽」(99票、4.1%)でした。ポジティブとネガティブ双方の単語が多く見られ、受験生一人ひとりの抱える感情が多岐にわたっている様子がうかがえます。

「あなたが受験勉強を通じて成長できたことを教えてください」(自由記述回答をジャンル分けして分析)では、「人間関係・感謝の気持ち」「忍耐力・粘り強さ」「自己認識・向き合い方」「継続力・努力」「計画性・タイムマネジメント」が、それぞれ10%前後の回答を集めました。人としての成長を実感している受験生が多く、バラエティ豊かな回答が見られました。

「受験勉強で、最も心の支えになっている/なっていた人は誰ですか?」(単一回答)として最も多かったのは、「学校の友だち」(41.5%)でした。他にも「両親」や「先生」といった身近な存在からアーティストに至るまで、幅広い回答が集まっています。

「受験勉強で、最も心の支えになっている/なった言葉を教えてください」(自由記述回答をジャンル分けして分析)の最多は「友達や仲間との励まし合いの言葉」(222票、9.3%)、続いて「先生からの応援・励ましの言葉」(186票、7.8%)でした。身近な人たちからの激励が受験生を支えていることがわかります。3位には「自分ならできる」という言葉が、4位には「音楽・歌詞」、5位には「有名人・偉人の言葉・本」がランクインしました。

「受験勉強や試験に臨む時に『没頭』するコツはなんですか?/なんでしたか?」(複数回答)では、「寝不足にならないように睡眠をとる」(46.9%)、「勉強の誘惑になるもの(ゲーム、SNSなど)を断つ」(46.8%)、「おなかが空かないように食事を摂る」(26.3%)の3つが上位となりました。寝不足や空腹を防ぎ、体調を良い状態に保てるよう心がけている様子が伝わります。

受験形式の多様化も進んでいます。「あなたが予定している/経験した受験形式を教えてください」(単一回答)では、一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜を中心に、さまざまな組み合わせや形態が見られる結果となりました。

また、この質問に加えて「あなた本人や友達の受験で、珍しいと思った受験形式があれば教えてください」と任意で依頼したところ、以下のような回答が寄せられました(一部を抜粋)。
■化学の実験をする
■「学びの履歴書」を提出する
■俳句や短歌、物語を書く
■ポスターセッションがある(質疑10分)
■ビブリオバトルをする
■1泊2日で講義を聞き、ディスカッションやプレゼンをした上で、後日面接をする
■当日渡された1枚の写真をもとに即興でプレゼンをする(海のプラスチックゴミ問題など) 

「受験当日、着ていこうと思っている/着た服装を教えてください」(単一回答)では、「制服」(66.4%)が中心となりました。一方、動きやすさや温度調節を重視したり、お気に入りの私服で気分を高めたりする受験生も見られます。

「受験当日、お昼休憩で食べようと思っている/食べたご飯を教えてください」(単一回答)では、「親の手作り弁当」(53.9%)が最多の一方、軽食(19.0%)やコンビニ飯(18.5%)を昼食にする割合も比較的多い結果となりました。

「思い描いている大学生活はどんなものですか?」(自由記述回答をジャンル分けして分析)では、半数以上が「学業・研究に熱中」(52.6%)と応えました。「法律を勉強して模擬裁判などで実践的なスキルを得ていきたい」「好きな日本史の史料などで、たくさん勉強ができる」「最先端のがん治療を学ぶことができる講義を受けたい」「興味を持っているデンプンやタンパク質などの高分子化合物の研究をする」など、具体的にイメージしている受験生が多い結果となりました。

一方、学業のみならず、「友人関係・恋愛が充実」(18.5%)、「部活・サークルに熱中」(17.5%)、「バイトを頑張る、お金を稼ぐ」(9.1%)などの回答も多く、さまざまなキャンパスライフを夢見る声が多く寄せられました。

「将来就きたい職業を教えてください」(自由記述回答をジャンル分けして分析)については、「医師・看護師・医療従事者」「教師・教育関係」「公務員」「技術者・エンジニア」「研究者・学者」「士業・法曹関係」「アーティスト・クリエイター・芸能人」「起業・投資家」「航空・宇宙関連」「マスコミ関係」「建築関係」「スポーツ関連」「デザイン関係」「海外関連」「獣医・動物関係」「国際関連」「福祉関連」「警察官・消防士・自衛官」「会社員全般」といったジャンルが見られました。

「将来、どんな大人になることが理想ですか?」(自由記述回答をジャンル分けして分析)では、「自分の価値観・行動の軸を大切にしている」(27.9%)というニュアンスの回答が最も多く、具体的には「自分で適切な判断ができる人」「自分がかっこいいと思える自分になる」「自分の軸をしっかり持った人」「ポジティブな判断力のある人」「物事を多方面から考えられて、当たり前だと思われていることにも疑問を持ち,常に自分で考えて行動する人」など、自分自身が納得することを大切にしている受験生が多いことがわかりました。

〈調査の概要〉
 調査対象:全国の「Studyplus」ユーザー(高校3年生、浪人生、大学1~2年生)
回答者:2,399人
(高校3年生1,930人、浪人生227人、大学1年生172人、大学2年生70人)
 調査方法:「Studyplus」上で回答を依頼し、オンラインで回収
 調査時期:2023年11月24日~11月27日