中3の修学旅行で海外に行った時、英語を全然話せず悔しい思いをしました。それ以来一生懸命勉強し、高1の時、ニュージーランドに1年間留学。明確な目的はなく、海外で友達をつくりたいという思いでした。

留学先では友達もでき、英語で自分の世界が広がることを実感しました。同時に、かつての自分のように、英語が苦手な子どもにも英語の良さを伝えられる教員になりたいという夢ができました。

夢に近づこうと、高3の時にはカナダに留学。英語教育で有名なカナダの大学の語学学校に通いました。

ホストマザーとはこれまでの人生や将来についてたくさん語り合いました。自分に自信が持てず、常に不安や焦りがあったのですが、そんな自分を認めてくれました。一番思い出に残っているシーンで、人生の糧になっています。

留学で出会ったホストマザー(右)と内山さん 本人提供

大学卒業後は小学校の英語の教員となり、現在は国際協力機構(JICA)の海外協力隊員として、パプアニューギニアの子どもたちに英語や算数、理科を教えています。文化や価値観の違いを認められるしなやかさは高校の留学で身につき、今に生きていることです。

パプアニューギニアでの授業の様子 本人提供

留学に迷ったら、ぜひ挑戦してください。目的は、行っている間に変わってもいいと思います。メリットや成果も大事ですが、かっこつける必要はありません。自分の素朴な好奇心をもとに考えてみてください。(構成・正木皓二郎)

トビタテ!留学JAPANとは

 文部科学省が展開する海外留学支援制度。2013年から、企業や団体などからの寄付で返済不要の奨学金を給付しています。連載ではこの制度を利用して海外へ挑戦した人たちの体験談を紹介します。

(朝日中高生新聞2024年9月15日号)