
座間耀永さん(高3)が新聞活用法をアドバイス
毎週届く「朝日中高生新聞」。楽しく読んでいる人もいれば、読み切れないという人もいるかもしれません。朝中高特派員の座間耀永さん(東京都・高3)は、朝中高で起業のきっかけをつかみ、大学入試にも活用できたといいます。どのように紙面を読んできたのかを聞きました。(小貫友里) ※朝中高特派員は、読者代表の中高生記者です。
オンライン作文教室を運営、初の著書も出版
座間さんは、これまでに数多くの作文コンクールで入賞してきました。
昨年3月には大人も対象の「Reライフ文学賞」長編部門の最優秀賞を受賞。2023年に亡くなった父の闘病を書き記した作品を応募し、昨年『父の航海』(文芸社)として出版もされました。


高2のときに、言葉の持つ力を同世代に広める活動をするため、非営利型一般社団法人「AZBande」を設立。オンラインの作文教室などをしています。昨年は朝中高で、書く楽しさを伝える連載「言葉の力」も執筆しました。

文章表現の力を磨き、起業をして社会とより深くつながり始めた座間さん。小学校低学年から姉妹紙の朝日小学生新聞の読者で、朝日中高生新聞は中1から読み続けています。「新聞が、小さいころから活字やニュースに触れる機会を与えてくれたことは大きかった」と振り返ります。
座間さんは朝中高では、1週間の大きなニュースを見開きにまとめた「WEEKLY NEWS」や、話題の言葉を解説する「NEWS KEYWORD」をよく読んでいるといいます。
でもニュースが知りたくて積極的に読むというよりは、「すごく読みやすかったので、抵抗なく時事に触れられた感じがします。中高生の話題や、エンターテインメントの話題もあり、ガチガチのニュースだけではないことも、すごく良かったです」。
勉強方法などを伝える連載「エンスタナビ」も「すごく好き」でよく参考にしました。おすすめの本を紹介するコーナー「推し本」には自身も好きな本の紹介文を投稿し、掲載されました。
中1から朝中高特派員も務めました。「今でもですが、私は元々人見知り、場所見知り(知らない場所で戸惑うこと)」と座間さんはいいます。でも、いろいろな人に会って文章を書いてみたい気持ちもあり、取材の機会には手を挙げ、記事を書きました。
新聞で知った東大の起業講座に参加
ニュースでスタートアップの会社の急成長を知る中で、起業に興味を持った座間さん。高1の10月、東京大学の「メタバース工学部」を紹介する記事を朝中高で読みました。講義は多くがオンラインのバーチャル空間で開かれます。中高生が無料で参加できる、起業がテーマの講座もあり、参加しました。「この講座がきっかけで、どんどん起業を形に移せた。大きな一歩を新聞で見つけました」。講座で事業を提案し、最後には優秀者の一人に選ばれました。
記事で時事に触れるだけでなく、その情報を元に応募したり、投稿や特派員の活動に参加したり、朝中高をフルに活用しました。
座間さんは中高生までの活動を資料にまとめ、総合型選抜入試(AO入試)を受けました。志望していた慶応義塾大学環境情報学部に合格。文理が融合した学部で、世界がもっと広がりそうです。新しい学びの環境に「楽しみ」とほほえみます。
座間さんに四つの質問
朝中高どう活用している?
①忙しくてもニュース欄はチェック!
全部読めなくても1週間の主なニュースをまとめた「WEEKLY NEWS」は読みます。
②イベントやコンクール情報を探して応募
今に一番つながっているのは東京大学のメタバース工学部。起業の講座に参加しました。
③朝中高特派員の活動が世界を広げてくれた
意見や体験を記事や連載として掲載してもらう、活躍する大人たちへの取材をするなど貴重な経験を積めました。
AO入試にも役立った?
小さなころからニュースに触れていたことは、受験にも役立ったと思います。
入試の資料には、新聞投稿や、朝中高特派員の活動として新聞連載をしたこと、起業についても書きました。活動の一貫性も評価してもらえたのではと思っています。

大学では何を学ぶ?
将来の夢は、まだ具体的には決まっていません。でも書くことは続けていきたいとは思っています。大学では学問領域をかけ合わせた学びができます。趣味として好きな音楽と脳科学、(作文教室をしているので)教育と経営や心理などを学びたいです。
特派員の思い出は?
アーティストで経営者のSKY-HIさんにインタビューしたことです。音楽の中でも特にヒップホップやラップが好きで、経営しつつラッパー活動もされているので、すごくお会いしたかったです。

(朝日中高生新聞2025年3月9号)