日本刀を擬人化 戦士になった刀の育成ゲーム
日本刀を擬人化した「刀剣男士(とうけんだんし)」たちが活躍するオンラインゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」が、登場から10年を迎えました。日本刀の魅力が再発見されて、各地の美術館や博物館は多くのファンでにぎわうように。次の世代に伝えるための保護や復元の機運も高まっています。(編集委員・別府薫)

ダウンロード数1400万超、アニメ、漫画、歌舞伎にも
ゲームの舞台は、西暦2205年。歴史を変えようとたくらむ悪者が過去への攻撃を始めます。プレーヤーは、歴史を守る使命を与えられた「審神者(さにわ)」として、刀剣が戦士に姿を変えた「刀剣男士」の部隊を編成。敵と戦いながら、刀剣男士を強くしていくという設定です。
原作を手がけたのは、ゲームやアニメなどをつくるニトロプラスという会社です。美術館めぐりが好きなディレクターが、刀剣コーナーで刀の造形美に魅了されている女性を見てゲーム化のアイデアが生まれたといいます。

刀剣がキャラクターになるとは、どういうことなのでしょうか。たとえば、メインキャラクターのひとり「三日月宗近(みかづきむねちか)」。もとの刀は、東京国立博物館が所蔵している国宝です。

平安時代につくられた美しい太刀(たち)なので、貴族のような優雅な姿で現れます。でも、日本刀としては最古の部類に入るので、自分のことを「じじい」といいます。このように刀の来歴と重なる個性の刀剣男士は、現在119振り。今後も増える予定です。
2015年1月のリリースと同時に大ヒット。これまでのダウンロード数は1400万を超えます。ミュージカルや歌舞伎などの舞台をはじめ、アニメや漫画、小説にもなりました。

朝小プラスまなび
刀剣が由来の言葉
●反りが合わない 相手と気心が合わないこと。反りが合っていないと、刀を鞘におさめられないことから。
●鎬(しのぎ)を削る 鎬は、刀身の側面の山形に高くなったところ。刀がぶつかり合って鎬が削れるように感じることから、激しく争うという意味。
●元の鞘におさまる いったん切れた人間関係が、元にもどること。
*ほかにもたくさんあります。調べてみましょう。