
読者から寄せられた疑問を編集部が調査するコーナーです。今回は神奈川県の小学4年生、Mさんから寄せられた「自販機の投入口 なぜ右側?」という質問に答えます。
Mさん(神奈川県・4年)の疑問
なぜ自動販売機のお金を入れるところや、おつりをとるところは右側なの? 左利きの人のためにも真ん中にしたらいいと思います。自動販売機が日本にいつごろからあるかも知りたいです。
日本自動販売システム機械工業会 久下雄太郎さんの回答
自動販売機のお金を入れる投入口などが右側が多いのは、右利きの人が多いからだと考えられます。ただし、自販機を注文する会社側の要望をとり入れてつくるので、右側以外の投入口をつくることもできます。
右利きの人が多いからかも
要望に応じて工夫も
自動販売機を製造・販売している会社などでつくる団体「日本自動販売システム機械工業会」(東京都新宿区)の久下雄太郎さんに聞きました。
自販機のお金の投入口は以前から右側にあることが多いですが、はっきりした理由はわからないそうです。「右利きの人が多い」というのが理由の一つだとみられます。
ただし、お金の投入口は必ず右というわけではありません。真ん中あたりにある機械もあるといいます。
ほかにも自販機が右利きに合わせていると考えられる特徴があります。それは自販機のとびらです。
自販機に商品を補充するときはとびらを開けます。利き手の右手で商品を出し入れしやすいように右から左へとびらが開くようになっていることが多いです。
ジュースやお茶などの飲料を売る自販機は、飲料メーカーの要望を受けて、自販機を製造する会社がつくります。どんな人が自販機を使うのかを考えながら、機械を決めていくことが多いといいます。
久下さんは、今回質問を寄せてくれたMさんのような意見は、とても参考になるといいます。より多くの人が使いやすい自販機が広まることを願っているからです。
「これからも『こんな自販機があったらいいな』と考えてくれたらうれしいです」
50年ほど前に広まり 今400万台
みんなが使いやすく
日本では明治時代に初めて自販機がつくられました。いまも残る最も古い自販機は発明家の俵谷高七が考え、1904年につくられた切手とはがきの自販機です。切手とはがきの販売だけでなく、ポストも兼ねたものでした。
自販機は1970年代の半ばから広まりました。1台の自販機から温かい飲料と冷たい飲料がいっしょに売れる機械が開発されたことが理由の一つです。

いま飲料の自販機は約225万台、両替機などをふくめると約400万台(どちらも2021年12月末の数字)があります。
より多くの人が使いやすいようにしたり便利な機能をつけたりしたものもあります。
子どもや車いすの人が使いやすいように、上段の商品を選ぶボタンを下のほうにもつけたり、お金の投入口の近くに点字をつけたりするものもあります。機械に住所のステッカーをはって、場所を確かめやすくしたものもあります。(前田奈津子)

(朝日小学生新聞2023年2月14日付)

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