
読者から寄せられた疑問を編集部が調査するコーナーです。今回は小学5年生(千葉県)から寄せられた「ティッシュはなぜ2枚重ね?」という質問に答えます。
小学5年生(千葉県)の疑問
ティッシュペーパー(ティッシュ)が2枚なのはなぜですか? ティッシュがどのようにつくられるのかも知りたいです。
日本製紙クレシア 開発本部 商品開発部 藤田祐樹さんの回答
肌ざわりにこだわっているからです。紙には、表と裏があります。ツルツルした面が表、ザラザラした面が裏です。裏の面同士を内側にして2枚を重ねることで、ツルツルした面が肌にふれるようにつくられています。
化粧落としから「贈り物」に
ティッシュやトイレットペーパーなどを製造・販売している日本製紙クレシアの藤田祐樹さんが、質問に答えてくれました。
ティッシュをつくるときは、肌ざわりと吸水性を重視しています。
紙には、表と裏があります。ツルツルした面が表、ザラザラした面が裏です。裏の面同士を内側にして2枚を重ねることで、表の面が肌にふれるようにつくられています。
ティッシュは鼻をかんだりお化粧をするとき使ったりすることも多いため、やわらかさと、ある程度の強度が必要といいます。
1枚で厚くすればいいとの考えもあるかもしれませんが、うすい紙を重ねるほうが、やわらかいと感じられるため、2枚重ねにしています。

また、紙を重ねると、その間に空気の層ができて、水分を吸収しやすくなります。
日本製紙クレシアでは現在、2枚重ねだけでなく、3枚、4枚重ねの商品も販売しています。「ふんわり感」などにこだわった商品で、贈り物として購入するお客さんもいるそうです。



ティッシュはいつごろから販売されているのでしょうか。
1920年代に、アメリカの会社が、化粧を落とすための商品として発売したのが始まりとされます。
日本では、1960年代に発売されました。その後、生活で使われる商品として、広がっていきました。
環境に配慮した商品も
ティッシュは、どのようにつくられるのでしょうか。
原料の木片を煮こみ、繊維成分を取り出したものをパルプといいます。
機械にパルプと水を入れてかきまぜます。液状になったものを目の細かい網にふきつけ、脱水しながらシート状にします。
その後、乾燥。例えるなら熱した鉄板にのせ、熱風のドライヤーで乾かすようなイメージです。鉄板にふれる面はツルツルするので表、ドライヤー側は裏になります。
紙すきの体験をすると、表と裏のちがいを感じられるかもしれません。

その後、機械で、紙を2枚重ねにして巻き取り、切りそろえて袋や箱につめるなどして商品が完成します。
ティッシュは、水にぬれてもすぐにやぶれないような成分を入れています。トイレットペーパーのつくり方もほぼ同じですが、トイレットペーパーは、使った後トイレに流して捨てることを考えて、そのような成分は入れていません。
ティッシュをトイレに流すと排水管をつまらせるなどトラブルにつながりやすくなります。ティッシュをトイレに捨てないようにしてほしいです。
商品の中には、資源の有効利用として、飲料の紙パックをもとにしたパルプを原料の一部に使っているものがあります。プラスチックの使用を減らすため、包装にプラスチックを使わない、紙だけのパッケージの商品もあります。
日本製紙クレシアでは、保湿成分を入れた「肌うるる」というシリーズもつくっています。
「これからも品質にこだわって、お客様にとって使いやすい商品を考えていきたいです」
(朝日小学生新聞2023年4月18日付)

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