恐竜など大昔にいた生き物の化石などを手がかりに、その姿や生活を知ろうとする古生物学。千葉大学教育学部准教授の泉賢太郎さんは、「化石研究は探偵みたい」といいます。古生物学のまなざしで、今の生き物も、ウンチや足あとなどの手がかりと、その正体を見比べてみる自由研究はどうでしょうか。(小川しおり)
自由研究・探究学習のヒント
キーワード #化石 #恐竜 #動物園
・動物のウンチを観察しよう
・動物の足あとを観察しよう
食べたものは? 大きさは? 予想しよう

泉さんは、ウンチや足あとなど生き物の行動のあとが化石になった「生痕化石」を研究しています。
ウンチ化石を細かく調べると、その生き物が何を食べていたのかがわかります。食べていたものがわかると、生き物が生きていた時代に、ほかにどんな動物や植物が存在していたかを探るヒントもつかめます。
足あと化石からは、足あとをつけた生き物の大きさや、歩く速度などを予想できるといいます。
でも、「どの動物のものか判断するのはむずかしい」と泉さん。どうやって、ウンチ化石の「主」を知るのでしょうか。
たとえば、ある動物のウンチ化石らしきものが見つかった場合、「ウンチ化石の中にほかの動物の骨が入っていたので肉食らしい、同じ地層からティラノサウルスの体の化石が見つかっている」といった証拠からティラノサウルスのウンチ化石だと判断します。
特に、決め手となるのは大きさ。「ウンチが大きいから体も大きかったのだろうと考えられる」といいます。
一方、ヤギのように、体は大きいけれどウンチは小さい動物もいます。「今いる動物を見て、この動物が将来化石になったとしたらどうなるのかという逆転の発想も必要。化石からわかることも大事ですが、つねにほかの手がかりの存在を考える想像力も大切」と泉さんは話します。
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