
3月31日で最終回をむかえ、朝小を卒業する4コマまんが「ジャンケンポン」。読者から数多くのおたよりや4コマまんが作品が届きました。時代の節目をとらえ、悲しい出来事も温かいまなざしでえがいた作品とともに紹介します。
時代を彩った傑作たち
「末っ子のポンは、ぼく自身」
「小学1年から6年まで楽しめるまんがを」と当時の朝小の編集長からお願いされ、年齢のちがう3きょうだいを主人公にしたそうです。
泉さんは8人きょうだいの末っ子。「ポンは、ぼく自身。ひとくせあって生意気なことも言うところは、まじめ人間のぼくにはないところです」

ペンネームは中学時代から
1989年1月に昭和天皇が亡くなり、元号は昭和から平成に変わりました。時代が変わる大きな節目もユーモアたっぷりにえがいてきました。
「泉昭二」というペンネームは、まんが雑誌に投稿した中学生のころから使い始めたそうです。

平和に対する強い思い
日中戦争と太平洋戦争を経験した泉さんは、平和に対する強い思いがあります。小学生の時に戦火から逃れるため福島に学童疎開し、疎開先から東京にもどった晩に東京大空襲にあいました。
イラクとアメリカなどの多国籍軍との湾岸戦争が終わった際には、平和の喜びを表現しました。

21世紀もなかよしな3人
「世紀」は西暦で100年を単位とする年代の数え方です。21世紀は2001年から2100年までを指します。
子どもたちがお正月に楽しみにしていることの一つはお年玉。21世紀が始まったお正月にふさわしい作品でした。

ジャンはお姉さんがモデル
泉さんは3歳の時に病気でお母さんを亡くし、19歳年上のお姉さんが身の回りの世話から勉強までみてくれたそうです。
弟のケンやポンのめんどうをよくみるジャンには、「ぼくを育ててくれた姉がどうしても出てしまいます」。

被災した子どもたちに向けて
2011年3月11日に起きた東日本大震災の時には、被災した子どもたちをどうしたらはげますことができるかと迷ったそうです。
「無邪気なミーヤだったら、少しでも明るい気持ちになってもらえるかも」と考え、ミーヤが悲しくて何も言えない作品にしました。

ネコのミーヤも大人気
昭和から平成、令和まで、たくさんの読者を楽しませてきました。
令和になった初日は、ネコのミーヤが大活躍。ジャン、ケン、ポンの3人とともにミーヤも人気キャラクターでした。

どんな時もやさしい気持ちで
新型コロナウイルスが世界的に大流行し、暗いニュースが多くなりました。そんな時こそ、まんがで読者を少しでも明るくしたいとアイデアを練りました。
悲しい出来事も、その場でつらいめにあっている人を想像し、やさしい気持ちで作品をかいてきたと言います。


(朝日小学生新聞2023年3月31日付)

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