読者親子100人お祝い

東京で認定式

ジャンケンポンが「世界一」として認められたのは、ギネス世界記録の「ひとつの4コマまんがとして最も多く発行された回数」という分野です。20日の「達成おめでとうの会」で、ギネス公式認定員の石川佳織さんから公式認定証が手渡されました。お祝いで集まった読者の親子らの前で、泉さんは「緊張するといいものができないので、毎日楽しみながら続けてきました」と語りました。

朝小読者から花束をおくられる泉さん

ジャン、ケン、ポンの3きょうだいの日常をえがいた「ジャンケンポン」は1969年9月から、新聞が休みの日をのぞいてほぼ毎日、連載を続けています。2013年1月に、毎日新聞の「まっぴら君」が作った1万3615回の記録をぬき、今も記録をのばし続けています。16年12月15日付で1万5千回をむかえたのをきっかけに、朝日小学生新聞がギネス世界記録に申請しました。連載回数を数え直したところ、通し番号がなかった特別号などもふくめると16年11月24日付で1万5千回を達成していたことが認められました。

会では読者を代表し、2世代で大ファンだという、読者親子から花束がおくられました。親子は「1万5千は想像もつかない数です。これからもがんばってほしいです」。

ギネス世界記録の公式認定証を持つ泉さん(中央右)とギネスの公式認定員(同左)。朝小の親子読者は、「1」と「5」で1万5000回を表してお祝いしました=20日、東京都中央区

泉昭二さん
毎日毎日続けるだけ

会では、50年近い連載の中から世の中をユーモアたっぷりにえがいた名作をふり返りました。

泉さんは情報の多くを新聞から得ていると言います。また、買い物中にも人の動きをよく観察し、アイデアを練ってきました。ジャンケンポンが世代を超えて愛される理由を聞かれ、「親近感をもってもらえるようなキャラクターだからじゃないかな。大人も子どもも、ジャン、ケン、ポンを自分にあてはめているのでしょう」。

世界記録の達成で、周囲はさわがしくなってきました。しかし「回数を考えながらかいてきたわけではない」と、自身は冷静に見ています。今後の目標について泉さんは、「『目標はあと何回』と言おうと思いましたが、それを言っちゃうとかけなくなってしまいます。だから目標はありません。ただ毎日毎日続けるだけです」。

日本のまんが界の至宝だ

【日本漫画家協会理事長ちばてつやさんのお祝いのことば】

4コマまんがはとっても小さな世界なのに広くて深い人間の特徴もユーモアもえがけるすばらしい表現媒体だ。それだけに奥が深く、一作一作つくるのは骨が折れるしものすごく難しい。泉さんはそれを毎日毎日えがき続け、1万5千……という、気の遠くなるような金字塔をうち立てられた。「ギネス」に記録されたのもうれしいが、84歳を過ぎてもお元気で、しかも「楽しんで」子どもたちのために『ジャンケンポン』をえがき続けておられる泉昭二さんは、今や日本のまんが界の至宝だ。

(朝日小学生新聞2017年3月22日付)