モハンマディさんは「イランにおける女性の抑圧とたたかい、すべての人の人権と自由を促進した」として選ばれました。

イランはイスラム教の教えを重んじる国です。去年9月、公共の場でかみの毛をかくすために、女性に着用が義務づけられる布「ヒジャブ(ヘジャブ)」をめぐって混乱が起きました。

ヒジャブのかぶり方が不適切だったとして逮捕された当時22歳の女性が、その後亡くなったのです。警察官の暴力を疑う声や、「女性の権利がおかされている」などと反発の声が上がり、政権への抗議デモは世界に広がりました。いまは刑務所にいるモハンマディさんも、政府を非難するSNS投稿を続けてきたといいます。

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教でイスラム文化にくわしい後藤絵美さんによると、本来「イスラム教はいろいろな考え方があります。自由や人権を大切にする人もたくさんいます」。それなのに、厳格な解釈のもとにつくられた、人々の尊厳を傷つけるような制度や社会に対し、抗議の声が上がっているとみています。

モハンマディさんへの授賞について、「自由や女性の状況を改善するためにたたかってきた人に注目が集まることは意義があります。イスラム教にもとづくルールは、人間がよく生きるためのものだという空気が広がっていくと、少しずつ変わっていくのではないでしょうか」。

小学生のみなさんには、今回の授賞を「どうすれば人々が幸せになれるか考えるきっかけにしてほしい」と話します。「政権側を非難して終わるのではなく、彼女を取りまく環境や、同じようにたたかう人たちのことを知る機会にしてください」

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