
新しい年の福をかきこもう――。「酉の市」には、大小さまざまな縁起物の熊手が並びます。小判や米俵、おかめ、鯛、松竹梅など、おめでたい飾りがいっぱいで、熊手の形はほとんど見えません。
11月の「酉の日」に、東京・浅草の長国寺や各地の鷲神社(大鳥神社)で行われる祭りが「酉の市」です。「おとりさま」とも呼ばれる祭りは、年によっては2回、または3回あります。
東京・浅草、鷲神社の酉の市は、江戸時代からのにぎわいが続くお祭りです。「家内安全、商売繁盛」「ますます繁盛!」。熊手を求めたお客さんには、お店の人たちが「手締め」といって威勢のよいかけ声と手拍子で景気をつけます。
熊手をつくる店では、酉の市が終わると正月飾りの準備が始まります。
(朝日小学生新聞2014年11月25日付、2015年10月26日付の記事をもとに再構成)