羽子板は子どもの無病息災を祈る縁起物

東京・浅草の浅草寺で年末に開かれる羽子板市は、350年ほど前の江戸時代から続く行事です。かつては、子どものいる家にお歳暮としておくる風習がありました。羽子板で突く羽根についている黒い玉が「無患子(むくろじ)」という木の種なので、無病息災のお守りになったという説などがあります。

羽子板市の期間中は、境内に露店がずらりと並びます。綿を布でくるんで立体的な絵柄に仕上げた「押絵羽子板」で、華やかさ、めでたさを競います。伝統的な歌舞伎の役者絵のほか、その年に活躍した人たちをモデルにした絵柄など、世相をえがいた羽子板を売る店もあります。

(朝日小学生新聞2014年12月18日付の記事をもとに再構成)