7月23日に首都圏で大きな地震がありました。けが人が出たほか、電車がストップしたり、エレベーターが止まって人がとじこめられたりするなど、多くの混乱が起きました。地震はいつ、どこで起きるかわかりません。小学生にもできる地震へのそなえをまとめました。 

家の見取り図や町の地図かこう

あぶない場所やにげ道確かめる

各地の小学校で「防災プロジェクト学習」を指導する千葉大学講師・未来教育デザイナーの鈴木敏恵さんは、震度5以上の地震が起きた場合、町や家の中がどんなふうになるのか図で子どもたちに見せています。

鈴木敏恵さんの資料をもとにえがきました イラスト・林 美香誇

外では、壁のガラスや看板が落ちたり、たおれた自動販売機や自転車がにげ道をふさいだり。家の中では、食器棚のガラス戸がわれたり、お皿が横にとんできたりするといいます。

こうした身の回りの危険を発見するために、家の見取り図=上のイラストを参照=をかこうと鈴木さんは提案しています。

家族がよくいるダイニングキッチンの家具の配置を黒い線でかき、家族がすわるテーブルの位置もかきます。

次に、地震で家具がどのように動いたりこわれたりするのか、赤い色でかきくわえます。

自分が外へにげるときの順路は青い線でかきます。こうすると、にげ道の床に食器やガラスなどがとびちり、家具などがたおれていることがわかります。

この方法は、学校や塾へ行く道にある危険物の発見にも使えます。白地図を持ち、保護者といっしょに歩いてみます。電車で学校や塾に通っているのなら、とちゅうの駅で電車が止まることを考え、駅におりてそこから帰宅する方法を調べてみることも鈴木さんはすすめます。

家族との連絡方法確認

待ち合わせ場所決める

大きな地震が起きたとき、家族がいっしょとはかぎりません。みんなが安全確認の連絡を取り合おうとするので、電話もつながりにくくなります。

災害時の連絡方法を知っておくと役立ちます。たとえばNTTの「災害用伝言ダイヤル」の使い方はこんな具合です=下のイラスト参照

一般電話、公衆電話、携帯電話、PHS、避難場所などにおかれた特設公衆電話などから使うことができます。

「171」と押します。音声で流れる使い方の案内にしたがって、自宅の電話番号や連絡をとりたい被災地の人の電話番号を押します。そして、メッセージを録音したり、聞いたりできます。

ふだんから家族の間で話し合って、避難所や待ち合わせ場所を確認しておくとよいでしょう。

ひとりで外出していて地震にあった場合どうすればいいのか、総務省消防庁の資料などからまとめてみました。

電車が止まったときは、自宅からそれほど遠くなければ同じ方向に行く大人といっしょに歩くことも考えられますが、余震で物が落ちてくる危険もあるので注意が必要です。「むやみに動いて体力を使わないこと」と消防庁。

駅では、運転再開の見通しや、ほかの鉄道などの交通機関がどうなっているかなど、アナウンスが流れるので注意して聞きましょう。改札口やホームなどの電光掲示板にも情報が流れます。わからないことは、駅員さんにたずねましょう。電車に乗っているときは、車掌さんの指示にしたがいます。

塾にいたら勝手に帰らずに、先生の指示にしたがいます。大手の塾の中には、避難所を決めているところもあります。

エレベーターに乗っているときに地震があったら、ただちにすべての階のボタンを押し、止まった階でおります。自動的に一番近い階に止まってとびらが開くエレベーターもあります。とじこめられたら、非常ボタンを押して非常電話で助けをよびましょう。あわてず落ち着いて救助を待つことが大切です。

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(朝日小学生新聞2005年8月2日付)