「自分たちのことは自分たちで決めたい」――。そんな思いから生まれたのが民主主義です。大切なのが選挙。私たちは自由な選挙を通じて、自分と考え方の近い候補者や政党に投票できます。みなさんが実際に投票できるのは18歳から。そのときに備えて、いまの日本で何が問題で何が必要とされているのか、さまざまな「論点」について考えていきましょう。

それぞれの国には「国家元首」と呼ばれる国の代表者がいるのが通例です。国家元首がだれになるかは、国によって異なります。例えばフランスでは、選挙によって国民が国家元首である「大統領」を選びます。一方、イギリスのように「国王・女王」がいる国では、選挙によらず、後継者が国家元首を引きつぎます。大統領と似た役割に思える「内閣総理大臣(首相)」は、国家元首ではなく、行政(法律にもとづいて政治を行うこと)のリーダーにあたります。
❶主な国家元首は国王・女王と大統領
イギリスやベルギーのように王がいる国では国王・女王が、アメリカや韓国のように王のいない国では大統領が国家元首であることが多いです。一方で、スーダンや中国のように議会の議長や、最大政党のリーダー(党首)が国家元首となる国もあります。
❷大統領と首相のちがいは?
大統領は国民が選挙によって選ぶ国家元首です。一方、首相は国の行政のリーダーであり、国家元首ではありません。そのため、ロシアなどのように大統領と首相の両方がいる国もあります。
❸日本の国家元首はだれ?
いまの日本の憲法は国家元首を定めていません。天皇という存在がありますが、天皇は国家元首ではなく、憲法で日本国および日本国民統合の象徴として定められており、政治に参加することはできません。
日本の内閣総理大臣の役割は?
日本の内閣総理大臣は、政治を行う機関である「内閣」のリーダーです。国の予算案や法案を国会に提出する、国務大臣を任名し、大臣たちと閣議(会議)を行う、各省庁を監督するなど、とても多くの重要な役割を担っていますが、天皇と同じく、憲法で定められた国家元首ではありません。しかし、各国のリーダーと会談したり、国際会議に出席したりと、外交においてはほかの国家元首のように国を代表する役割をもっています。
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