小笠原諸島で現地調査

東京・小笠原諸島にある無人島の西之島では、噴火によって前の生態系が失われましたがその後、昆虫や鳥の繁殖が確認されています。生態系はどのように変化しているのでしょう。森林総合研究所の川上和人さんに朝小リポーターが取材しました。(正木皓二郎)

島の東側のようす。噴火口だけでなく陸地のあちこちからけむりが出ていました=2023年9月 川上和人さん提供

自由研究・探究学習のヒント

キーワード #西之島 #噴火 #生態系

・西之島ではどんな生き物が確認されているかな

・新しい生態系をつくるのを助けている生き物は?

・日本には火山がどれくらいあるか調べてみよう

植物失われ、昆虫は生き残った? 海鳥が新たな生態系をうむ可能性

西之島は2013年に約40年ぶりに噴火し、一時的に新しい島ができました。20年にも大きな噴火が起こり、積もった火山灰は5メートルにもなったそうです。

西之島

©朝日新聞社

東京から約1千キロはなれた小笠原諸島にある火山。周囲約130キロにほかの島がない孤島です。2013年から活発な噴火をくり返し、新しい島を作るなどして成長しました。20年末時点で大きさ約4.4平方キロ、高さは約250メートルあります。

西之島について環境省の調査に参加している川上さんは、「新しい生態系のでき方を初めて確かめられる」と島のすごさを語ります。現在植物は失われ、島で確認されている生き物はカツオブシムシやハサミムシといった昆虫や、海鳥の仲間です。昆虫は噴火前からの生き残りと考えられます。

北部の浜ではクロアジサシのひなが見られました。波をさけて岩の上に巣を作ったと考えられます=2022年7月 川上和人さん提供

「長い距離を移動する海鳥は、ほかの島で休けいした時、体に植物の種をくっつけてもどってくることがあります」。海鳥の存在は新しい生態系ができていくスピードを速めるという川上さん。海鳥が巣の材料として集めた海藻や木の枝は、昆虫や植物が入りこみやすい環境を作るといいます。また、海鳥のフンは養分として植物の成長を助け、死体は食物として昆虫の生命を支えます。「海鳥のおかげで新たな生態系ができようとしている」と川上さんは話します。

島の西側では、火山灰の台地でカツオドリが繁殖していました=2021年8月 川上和人さん提供

もっと教えて 川上さん

地面に巣を作る海鳥は木がなくても平気/島に行くたび新しい発見

(朝小リポーターの質問) 海鳥は噴火後なぜ西之島にもどってきたのですか?

この記事は有料記事です。

デジタル版をご購読いただくと、記事の続きをお読みいただけます。

今すぐ登録(キャンペーン実施中)

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

ログインする

購読のお申し込み

紙の新聞版

朝日小学生新聞

2,100
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

朝日中高生新聞

1,200
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

デジタル版

朝小プラス

1,900
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介

朝中高プラス

1,050
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介