
連載コラム【近藤先生と休み時間】
中学受験に向けてプロ家庭教師の 近藤先生からのアドバイス!
思っているほど簡単に成績は伸びません。
勉強して、学力がついていても、テストの点に結びつくかどうかは別問題だからです。
ちまたで「3か月で伸びる~」とか「10日で完成~」という問題集があふれているのは、それだけ成績が上がりにくいことの裏返しです。1年たっても、わが子は去年と同じ在籍クラス、偏差値……という話は、よく見聞きする話で、けっして珍しくありません。
6年夏までには、成績が上がってほしいのに、このままでよいのか、これで合格できるのか、まるで出口の見えないトンネルを延々と歩かされているようで、見守る側としてはイライラしますよね。叱咤激励の「叱咤」ばかりしているのではないでしょうか。
「どんなに叱っても、うちの子は、馬の耳に念仏で、全然こたえていない。だからもっと叱るのです。」
というお母さんもいます。
でも本当にがっかりして、親の期待に応えられず傷ついているのは子どもだとは思いませんか。
せっかくゲームもテレビも我慢しているのに、いつまでも成績が上がらない……うんざりもしています。そこで親も一緒になってはいけません。
「そんなんじゃ合格できないわよ。もう辞めたら!」
と奥の手、「辞める選択肢」をちらつかせながら、恫喝するのがサイアクの悪手です。
ここは大人なので一歩ゆずって、ぐっと黙り
「そういう時もあるわよ」
と余裕を見せ、勉強量を少し下げる。
「そんなことしたら、本当に勉強しなくなる」
と言われるかもしれません。そうですね、そうかもしれません。
でも気分がのらない、嫌がる子供を追いつめて、監視しながら勉強させても、学力はつきません。勉強は少量だけ、計算と漢字など学習難度を下げて続ける。成績は上がるとき、下がるとき、のサイクルがあります。ここは少し勉強量を下げて見守るのです。恫喝ではなくて、見守るのが奥の手です。ずっと走り続けられる子がいないように、ずっとだらけっぱなしの子もいません。
のんびりした後は必ず「やってみようかな」とスイッチが入るものです。
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(朝日小学生新聞2024年5月22日付)

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