
フランスの首都パリで開かれるオリンピック(五輪)とパラリンピックの注目競技を紹介します。今回は2021年の東京五輪で初めて採用され、日本選手の活躍や独特の盛り上げ方などで話題を集めたスケートボードです。
遊びから発展したスポーツ
「ゴン攻め」「ビッタビタ」
2021年の新語・流行語大賞の候補になった「ゴン攻め」と「ビッタビタ」。みなさんは何のことだかわかりますか? 東京五輪のテレビ中継で解説をしたプロスケートボーダーの瀬尻稜さんが何度も使い、話題をさらったことばです。
ゴン攻めは「選手ががんがん攻めているようす」、ビッタビタは「技がねらい通りに決まったこと」を表していました。選手が高くとんだり、タイヤがついたボードがくるくる回ったりして、初めて競技にふれる人でも「すごさ」や「かっこよさ」が一目で伝わってきます。
技をくり出し、得点を競う
五輪では「パーク」と「ストリート」の二つの種目が行われます。
パークの舞台は坂や曲面が組み合わさった複雑なコース。制限時間45秒の間に自由にすべり、空を舞います。ボードから落ちるなどしたら試技終了です。
ストリートはコース上に階段、坂道、手すりなどの障害物があります。45秒の間で自由にすべるランを2回、障害物を使って大技を出すベストトリックを5回行います。

どちらの種目も得点で競います。コースで技をくり出し、その難度、スピード、動きの多様さなどを審査します。1回すべるごとに100点満点で採点。パークは試技3回のうちの最高点、ストリートはランの最高点とベストトリックの上位二つの点を足して順位を決めます。

たたえ、はげまし合う文化
初めて五輪の競技となった東京大会では、日本の選手が男女4種目のうち3種目で金メダルを獲得しました。女子ストリートで優勝した西矢椛選手は当時13歳で、日本の史上最年少金メダリストに。パリ五輪に出場する選手も10代が目立ちます。
東京五輪で見る人の心を動かしたのは、相手選手の成功をたたえ、失敗したらはげまし合うスケートボーダーの姿でした。もともと遊びから発展したスポーツで、相手と競うこと以上に、仲間として楽しむことを大切にする文化があります。
パリ五輪の会場は、凱旋門とルーブル美術館の間にあるコンコルド広場。歴史的な名所でこの夏、どんな技やことばで見る人を楽しませてくれるのか、注目です。
【競技日程】
ストリート 7月27、28日
パーク 8月6、7日
(朝日小学生新聞2024年4月10日の記事を再編集しています)

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