サーフボードで巧みに波乗り

刻々と変わる波をつかめ!

サーフィンは、サーフボードという板を使って、波の斜面をすべるスポーツです。五輪では180センチほどの短めの板を使います。

試合は、海に選手2~5人が同時に入り、通常20~30分ほどの試合時間内に何度も波に乗ります。波の上でターンしたり、ボードごと水面からとび出して回転したりさまざまな技を決め、審判員が演技の流れ、難しさなどを見て採点します。点数の高い2本の合計点で勝ち抜きやメダルが決まります。

波の大きさや形は海の上でも場所によってちがいます。波は試合の間にも、潮の満ち引きや天気、海底の形の変化などを受けて変わります。相手よりよい場所で波をつかむことも重要です。

2021年の東京大会で五輪の正式競技になり、男子は五十嵐カノア選手が銀メダル、女子は都筑有夢路選手が銅メダルをとっています。

東京大会のサーフィン男子で銀メダルをとった、五十嵐カノア選手=2021年7月、千葉県一宮町、釣ケ崎海岸サーフィンビーチ ©朝日新聞社

南の島タヒチの大波スポットで

会場は、南太平洋のまんなかにある、フランス領ポリネシアのタヒチ島のチョープーという場所です。

チョープーは世界でも指折りのサーフスポットです。海底にはサンゴ礁が広がり、ふだんも高さ2~3メートル、時には7メートルもの大波が立ちます。チューブのように巻く波ができることもあります。その中をすべってぬける、チューブライディングが決まれば、高い点数をもらえるのでねらいどころです。

日本代表に内定しているのは4人。五十嵐カノア選手は、22年ISAワールドサーフィンゲームスのチャンピオンです。サーフィンの本場、アメリカ(米国)のカリフォルニア州で育ちました。去年からは米国の名門ハーバード大学大学院に通い、経営を学んでいます。ほかには稲葉玲王選手、オレアリー・コナー選手、松田詩野選手が内定しています。

イラスト・佐竹政紀

サンゴ礁の保護に配慮

今大会の審査員は、沖に建てた塔から選手の競技を見ます。チョープーには木でできた塔がありますが古くて危険なため、大会組織委員会は新しく14トンのアルミ製の塔を建てようとしました。しかし、新しい塔の杭がサンゴ礁を傷つけると、地元住民や一部のサーファーたちが反対。組織委は新しい塔を今と同じ9トンにして、サンゴ礁への影響を最小限にすると発表しました。

【競技日程】

サーフィン 7月27日~7月31日

(朝日小学生新聞2024年5月1日付の記事を再編集しています