専用の自転車で速さ・技を競う

BMXは「バイシクル・モトクロス」と呼ばれる自転車と、それを使った競技のことです。1970年前後のアメリカで、でこぼこのある舗装されていないコースをオートバイで走る競技モトクロスにあこがれた少年たちが、自転車を使ってまねをしたことが始まりといわれています。

競技は大きく「レーシング」と「フリースタイル」の二つに分かれます。

体を押し合って競走する「格闘技」

レーシングは、大きなでこぼこやカーブのあるコースを、速く走りぬいた人が勝ちです。

高さ8メートルの丘から、最大で8人がいっせいに坂を走りおりてスタートします。距離は約400メートルで、トップ選手は40秒ほどで走ってしまいます。

選手が密集したまま走り、自転車ごと小山をとびこえ、順位もどんどん変わっていくため、レース中は一瞬も目がはなせません。たがいに体を押し合って、走る場所取りをするようすから、「自転車の格闘技」ともいわれます。

回るハンドル、くりだすトリック

フリースタイルは、ハンドルが横に360度回る、タイヤのサイズが20インチの自転車を使い、さまざまな高さのジャンプ台や斜面などがある競技場で行います。

BMXで技を決める、中村輪夢選手=2022年4月、千葉市のZOZOマリンスタジアム ©朝日新聞社

1ラウンドは1分間で、空中で後ろに縦回転する、ハンドルを手放して車体を1回転させるといった技(トリック)を何度もくりだします。難度や完成度、独創性、構成などを見て採点し、順位が決まります。

2021年東京大会で五輪種目になりました。日本勢の注目は、22年世界選手権王者の中村輪夢選手です。東京大会では金メダルを期待されましたが、けがの影響もあり5位に。パリで再びメダルをねらいます。

イラスト・佐竹政紀

コンコルド広場で都市型スポーツ

BMXフリースタイルは、広い場所を必要とせず、都市に住む人が1人でも始められる「都市型スポーツ(アーバンスポーツ)」の一つです。パリ大会では都市型スポーツのうち、フリースタイルとスケートボード、3×3バスケットボール、ブレイキンをパリ中心部にある、コンコルド広場に特設する会場で行います。コンコルド広場は大きな広場で、パリの観光スポットであるシャンゼリゼ通りのはしにあり、近くには世界的に有名なルーブル美術館もあります。

【競技日程】

BMXフリースタイル 7月30、31日

BMXレーシング 8月1、2日

(朝日小学生新聞2024年5月8日付の記事を再編集しています