
フランスの首都パリで開かれるオリンピック(五輪)とパラリンピックの注目競技を紹介します。五輪、パラともに行われる「カヌー」は、コースの流れの有無や、使う舟やパドルの種類などで種目が分かれます。
パドルを手に舟を進める、操る
カヌーは、何百年も前から北アメリカ、シベリアなどで狩猟や漁、移動のために使われてきました。19世紀中ごろのイギリスで、スポーツとしてのカヌーが生まれました。
コース、舟や道具で分かれる種目
競技は大きく二つに分かれます。
「スプリント」は、流れのないおだやかな直線コースでスピードを競います。「スラローム」は、激流のコースで行います。2本のポールでできた20か所前後のゲートを、決められた順序通りに通過して、タイムを競います。
両種目ともその中で、座ってこぎ、両端に水かきのあるパドルを使う「カヤック」と、立ちひざまたは正座でこぎ、水かきが片方だけのパドルを使う「カナディアン」に分かれます。パリ大会では、スラロームに新しく「カヤッククロス」が追加されました。四つのカヤックが同時にスタートして競います。

パラは200メートル競漕
パラは「スプリント」のみです。使用されるボートには、カヤックと「ヴァー」の2種類があります。ヴァーはポリネシア語で「小舟」の意味で、島と島の間を移動するために作られたカヌーです。舟の片側にアウトリガーと呼ばれるうき具が付き、片方にだけ水かきがあるパドルを使います。2021年東京大会からできた新しい種目です。
どちらも、1人で200メートルをこぎます。下半身や体幹に障がいのある選手が参加し、障がいの程度から三つのクラスに分かれます。ルールの範囲内でカヌーの座席部分などの改造が認められています。
羽根田選手は5大会連続の出場
五輪、パラどちらもパリ大会出場選手が内定しています。
五輪には、36歳の羽根田卓也選手が出場します。高校卒業後、カヌー強豪国の中央ヨーロッパ・スロバキアにわたりました。16年大会でアジア勢初めてとなる銅メダルを獲得。21年東京大会は、メダルを期待されるも10位に終わっていました。連続5度目の五輪で集大成を見せることをめざします。
パラの女子は、3大会連続出場の瀬立モニカ選手と、宮嶋志帆選手、小松沙季選手。男子は高木裕太選手が内定しています。

【競技日程】
スラローム 7月27日~8月5日
スプリント 8月6日~8月10日
(朝日小学生新聞2024年5月22日付の記事を再編集しています)

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