空中の技や入水の美しさ競う

2人で演技するシンクロも

飛び込み台から空中に飛び出し、着水まではたった2秒弱。飛び込みは、その間に行う技の難しさや美しさを審判が採点して競う競技です。

反発力のある板を使って3メートルの高さからはね上がり、演技をする「飛板飛び込み」と、10メートルの高さの台から飛び込む「高飛び込み」があります。どちらも個人種目と、2人で演技する「シンクロナイズドダイビング」があります。

男子は6回、女子は5回演技をして合計点が高い選手が勝ちです。1回の演技で順位が大きく変わることもあり、最後まで目がはなせません。

水しぶきを上げなければ高得点

空中で行うひねりや回転などの技や、水に入るときの美しさが採点されます。高飛び込みの技で、空中でひざを抱えて4回転半する「前宙返り4回半抱え型」は最高難度です。世界のトップ選手たちはほとんど水しぶきを上げずに入水します。全くしぶきが上がらず、ぼこぼことあわが水面に見えるだけの「リップ・クリーン・エントリー」とよばれる入水は、最も得点が高くなります。シンクロの場合は、2人の演技がぴったり合っているかも評価されます。

近年は中国勢が強いです。2021年東京大会では飛び込み種目の24個のメダルのうち、7個の金メダルをふくむ12個を獲得しています。

17歳の玉井選手、テスト大会V

男子高飛び込みには17歳の玉井陸斗選手が内定しています。五輪は2大会連続で、東京大会は14歳で出場しました。今月パリで行われた、五輪のテスト大会を兼ねたフランス・オープンで、みごと優勝。五輪本番にむけて、はずみをつけました。

世界水泳の男子高飛び込みで演技する玉井陸斗選手=2023年7月、福岡市の福岡県立総合プール ©朝日新聞社

前大会金メダルの「編み物王子」

東京大会の男子シンクロ高飛び込みで金メダルをとった、イギリス代表のトーマス・デーリー選手(30歳)も、5度目の五輪出場を決めています。前大会では、競技や練習の合間に気分を落ち着かせるため、編み物をする姿が話題になりました。

デーリー選手は性的少数者(LGBTQ+)であることを公表しています。金メダルをとった後、「君がだれであろうと五輪チャンピオンになれる。ぼくができたんだから」と語りました。

イラスト・佐竹政紀

【競技日程】

飛び込み 7月27、29、31日、8月2日、5~10日

(朝日小学生新聞2024年5月29日付の記事を再編集しています