集中力や反射神経で的をうつ

射撃場で銃を使って的を射ぬくスポーツです。正確にねらいを定めるためには体のゆれ、呼吸、心臓の鼓動にまで気をつかいます。

固定された的を決められた姿勢で

五輪の射撃競技は「ライフル射撃」と「クレー射撃」に分かれます。

ライフル射撃は10~50メートル先に固定された的をねらいます。中心に近いほど高い得点が入り、合計点で競います。使うのは体で支えながらうつライフル銃や、片手で持つピストル。うつときの姿勢にも定めがあり、片ひざをつく「膝射」、ふせてかまえる「伏射」、立った姿勢の「立射」に分かれます。

男子の「50メートルライフル3姿勢」の種目では、2時間45分の試合時間のうちに3種類の姿勢を連続して、合計120発うちます。高い集中力を長く保たないといけないので、よくマラソンにたとえられます。

パラリンピックでもクラス分けなどをのぞいて、五輪とほぼ同じルールのもとで競技が行われます。

東京五輪のクレー射撃にのぞむ日本の中山由起枝選手(当時)=2021年7月 ©朝日新聞社

左右から飛ぶ小皿(クレー)が的

クレー射撃は機械から飛び出す小皿(クレー)を空中でうち落とします。うち落とした枚数で順位を競います。1発で複数の弾を放てるショットガンを使います。

小皿の出し方に種類があります。たとえば「スキート」という方法なら、左右それぞれの機械から、クレーがランダムに飛び出ます。どちらから出るかわからないため、とっさの反射神経が必要です。

夏の五輪で行われるのはライフル射撃とクレー射撃で、男女別と混合合わせて15種目。冬の五輪にも「バイアスロン」という銃を使う競技があります。

狩りのために発展したスポーツ

もともと狩りのために発展したスポーツです。最初の近代五輪となった1896年のギリシャ・アテネ大会から採用され、その後は2大会をのぞいて行われています。

好成績をおさめているのがアメリカ、イタリア、中国です。日本代表は1952年大会から出場。銃をあつかうことの多い警察や自衛隊から参加する選手が多く、これまでに金メダル一つをふくむ五つのメダルを獲得しています。

イラスト・佐竹政紀

【競技日程】

射撃 7月27日~8月5日

(朝日小学生新聞2024年6月5日付の記事を再編集しています