
フランスの首都パリで開かれるオリンピック(五輪)とパラリンピックの注目競技を紹介します。今回は近代五種です。1人の選手が複数の競技にいどむ大変さなどから「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれます。
5種類を1人で
近代五種では、1人の選手が、フェンシング、水泳、馬術、射撃とランニングを交互に行う「レーザーラン」にいどみます。
フェンシングは、相手の全身をねらって剣で攻撃する「エペ」で戦います。すべての選手と戦う総当たり戦と、勝ち残り戦の二つがあります。勝った割合や回数にしたがってポイントがあたえられ、二つの戦いの合計点数がフェンシングの得点になります。
水泳は200メートルの自由形で、タイムにより得点が決まります。
馬術は、さまざまな障害物を飛びこえながら制限時間内にコースを回ります。乗る馬は競技の20分前に、抽選で決まります。初めて対面する馬と、短時間でいかに信頼関係を築けるかがポイントです。減点方式で得点が計算されます。
最後のレーザーランは、これまでの種目の合計点を1点1秒とし、時間差をつけて上位の選手からスタートします。10メートルはなれた的へ50秒以内に5発命中させる射撃の後、800メートル走ります。交互に4回行い、最初にゴールした選手が優勝です。

100年以上前から五輪競技
近代五輪を提唱したフランス人のクーベルタン男爵が、古代五輪で行われていた5種競技をもとに、考案しました。1912年のスウェーデン・ストックホルム大会から正式種目です。初めは1日に1種目、計5日間にわたって競技をしていました。96年のアメリカ・アトランタ大会から1日で5種目をするようになりました。「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれるようになったのは、その歴史と競技の過酷さからです。
2028年のアメリカ・ロサンゼルス大会では馬術から、人間が障害物をクリアしながら走ってタイムを競う「オブスタクル」というレースにかわることが決定しています。
初の五輪出場が内定!
去年5月のワールドカップで2位に輝いた佐藤大宗選手(30歳)と、去年9月のアジア大会で4位となった内田美咲選手(26歳)が日本代表に内定したと17日発表がありました。ともに初の五輪出場となります。

【競技日程】
近代五種 8月4日~8月11日
(朝日小学生新聞2024年6月19日付の記事を再編集しています)

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