パラは全盲と弱視の2クラスに

白か青の柔道着を着た選手が10メートル四方の畳の上で戦います。男女とも体重別で7階級に分かれ、試合時間は4分です。技は全部で100種類あります。

どちらかの選手が「一本」をとれば、その時点で勝負が決まります。一本となる条件は、「相手を制す」「背中を畳につける」「強さ」「速さ」の四つの要素を満たした投げ技で相手をたおしたとき。もしくは、固め技で相手の背中や両肩を畳につけた状態にし、20秒間おさえこんだときです。

一本の条件を満たさないけれど有効な技をかけたときは「技あり」と判定され、技あり2回で一本となります。わざと相手と組み合わなかったり、消極的な姿勢をとったりした場合などは「指導」があたえられ、3回受けると反則負けとなります。勝負がつかない場合は延長戦です。

パラの柔道は、視覚障がいのある選手が互いに組んでから試合が始まります。両者がはなれたときは、試合開始の位置で組み直すのが特徴です。これまで障がいの程度にかかわらず、体重による階級分けだけでしたが、パリ大会から全盲と弱視の二つのクラスに分けられます。男女とも体重別でそれぞれ4階級に分かれ、全部で16種目となります。

日本生まれのスポーツ

今年のオリンピックの正式競技の中で唯一、日本で生まれたスポーツです。男子は、1964年の東京大会から、女子は92年のスペイン・バルセロナ大会から採用されました。日本はこれまで96個のメダルを獲得していて、強豪フランスの57個を大きく上回っています。

パラでは男子が88年の韓国・ソウル大会から、女子は2004年のギリシャ・アテネ大会から正式競技です。

2連覇めざす阿部きょうだい

前回の東京大会で史上初めてきょうだいそろって金メダルに輝き、パリ五輪への出場が決まっている、阿部一二三選手と詩選手。「きょうだいで2連覇」を目標としています。パラは、東京大会で銅メダルを獲得し、去年12月に開催された国際大会で優勝した瀬戸勇次郎選手に注目です。

妹の阿部詩選手(左)と兄の阿部一二三選手=2023年5月、カタール・ドーハ ©朝日新聞社

【競技日程】

柔道 7月27日~8月3日

(朝日小学生新聞2024年6月26日付の記事を再編集しています