DJが選ぶ曲で即興のダンス

パワームーブなど4要素

ブレイキンは、別名「ブレイクダンス」としても知られるダンススポーツの一つで、主に四つの要素で構成されています。

まず一つは、ゆかに落ちる動きに移る前の段階で行われる「トップロック」。立った状態で足のステップと上半身の動きを組み合わせたダンスのことです。

二つ目は、かがんだ状態で素早く足を動かしたりする「フットワーク」。フロアの上で両手を使いながら独自の足さばきを披露します。

三つ目は、主に上半身を使って回ったりとんだりする「パワームーブ」。代表的な技には、頭で回転するヘッドスピンなどがあり、ブレイキンをあまり知らない人でも、この競技について、まず思いうかべるイメージの一つではないでしょうか。

最後は、トップロック、フットワーク、パワームーブなどの一連の流れから音に合わせて、体の動きをぴたっと止める「フリーズ」。逆立ちやひじ、頭で体を支える逆さまのポーズが特徴です。

1対1、五つの基準で採点

パリ大会では、男女個人の2種目で、それぞれ16人の選手が1対1で直接対決します。選手は、DJが選ぶ曲のリズムやビートに、その場で動きを合わせて演技を披露し合います。5人の審査員は、「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」の五つの基準に基づいて採点します。

五輪の新競技、日本から4選手

発祥は1970年代のアメリカ・ニューヨークで、ストリートダンスとして生まれました。1対1から2対2、または多数のメンバーからなるチーム同士が、高度なパフォーマンスやアクロバティックな要素を盛りこんで創造性をきそうダンスバトルです。

2018年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われたユース五輪競技大会での盛り上がりが評価され、新競技としてパリ大会で実施されます。

中国・杭州アジア大会のブレイキン男子で優勝した日本代表のSHIGEKIX選手=2023年10月 ©朝日新聞社

日本からは4選手が出場します。開会式で旗手も務めるSHIGEKIX(半井重幸)選手は、去年10月のアジア大会で優勝。男子の初代金メダリスト候補の筆頭です。

イラスト・佐竹政紀

【競技日程】

ブレイキン 8月9、10日

(朝日小学生新聞2024年7月17日付の記事を再編集しています