空中でアクロバティックな演技

10種類の技で合計得点競う

陸上棒高とびの男子の世界記録は6メートル24センチ。それを大きく上回る8メートル以上の高さにまでとび上がり、華麗な演技を見せるのがトランポリンです。

宙返りやひねり技など、異なる10種類の技を連続して行います。演技時間は約20秒。「技の美しさ」「回転やひねりなどの難しさ」「とんでいる時間の長さ」「いかにトランポリンの中心で演技できるか」という四つのポイントを点数で評価して、合計得点で順位が決まります。

のび型、かかえ型、屈身型

とんでいる間の基本の姿勢は、体をまっすぐのばした「ストレート(のび型)」、体を小さくおりたたんだ「タック(かかえ型)」、ひざをしっかりのばして腰をたたんだ「パイク(屈身型)」の3種類。回転やひねりを加えて、技の難度を上げながら高得点をねらいます。

トランポリンのシートにかかれた「ジャンピングゾーン」と呼ばれる赤い枠の中で、高く安定した演技ができるかどうかが勝敗を分けます。中心部にある赤い十字マークが目印。ゾーンから外れた場合に体勢を持ち直す力も求められます。

予選は演技を2回行い、上位の8人が決勝へ進みます。最後は決勝の点数のみで順位が決まるため、予選でうまくいかなくても逆転のチャンスがあります。

サーカスをヒントに生まれた?

五輪競技としての歴史は比較的短く、2000年のオーストラリア・シドニー大会で初めて採用されました。もっとも、スポーツとしては1930年代からアメリカで広まっていました。

トランポリンは、サーカスの空中ブランコで、曲芸師が安全ネットに落ちてはずむようすにヒントを得て考えられたといわれています。64年にはイギリスのロンドンで最初の世界選手権が開かれました。

日本勢初のメダルめざして

五輪では男女それぞれ個人の種目が行われ、日本からも1人ずつ参加します。男子の西岡隆成選手(20歳)は、去年の世界選手権で銅メダルを獲得。この競技で日本勢初のメダルをねらいます。女子は、元世界女王の森ひかる選手(25歳)が東京大会に続いて出場します。

空中で演技をする西岡隆成選手=2023年6月、東京都渋谷区 ©朝日新聞社
イラスト・佐竹政紀

【競技日程】

トランポリン 8月2日

(朝日小学生新聞2024年7月24日付の記事を再編集しています