フランスの首都パリで28日から開かれるパラリンピックの注目競技を紹介します。アイマスクをして、音などをたよりにゴールをめざす、5人制サッカー(ブラインドサッカー)です。男子日本代表は初のメダルをねらいます。

音や声をたよりにゴールへ

ボールが転がると「シャカシャカ」

1チーム5人のうち、4人のフィールドプレーヤーは視覚に障がいのある人が務め、アイマスクをつけてプレーします。

ピッチやボールのサイズは、フットサルと同じです。ボールの中にはなまりが入っていて、転がると「シャカシャカ」と鳴ります。ボールが両サイドを割らないように、サイドラインにはかべを設置します。

選手同士の危険な衝突を防ぐため、ボールを取りに行く選手は「ボイ!(スペイン語で「行く」という意味)」と声を出します。

GKやガイドが声の指示

ゴールキーパーは視覚に障がいがないか、弱視の人が務めます。ゴールを守るだけでなく、守備をする味方に声で指示も出します。敵のゴール裏にはガイドという役割の人が立ち、相手や味方の位置、ゴールまでのきょりなどを声で伝えます。監督も選手交代の決定のほか、ピッチの中央にいる選手に指示を出します。勝つには声のかけあいといったコミュニケーションが大切です。

観客はプレー中は静かに見ます。得点が決まったら大きな声援を送りましょう。

エースストライカーは高3

相手の守りを突破して進む日本代表の選手(中央)=2021年9月、東京都江東区の青海アーバンスポーツパーク ©朝日新聞社

2004年のギリシャ・アテネ大会から正式競技になりました。パラは男子のみです。南アメリカ勢が強豪で、ブラジルは5連覇中です。

日本は21年東京大会に開催国枠で初出場し、8チーム中5位に。成長を続け、今回のパリ大会は初めて自力で出場を決めました。世界ランキングは現在3位です。

去年の世界選手権でチーム最多の4得点したのが、高校3年生の平林太一選手です。

ブラインドサッカーは音の鳴るボールを両足の内側でタッチしながら進むのが基本です。平林選手はボールに軽くふれる、音があまり出ないドリブルができるので、相手はマークしづらくなります。コントロールが難しいつま先を使い、予測がつかないタイミングでシュートを打つのも得意です。

【5人制サッカー パス・ドリブル】

【5人制サッカー シュート】

【5人制サッカー ゴールキーパーとガイド】

【競技日程】

パリパラリンピック 8月28日~9月8日

(朝日小学生新聞2024年8月21日付)