
フランスでパリ・パラリンピックが、8月28日から9月8日まで開かれます。168の国・地域から約4400人の選手が参加する予定です。注目の選手や競技、どんな大会になるのかを紹介します。
車いすテニスの小田選手、ゴールボール女子に期待
ラケットを持ちながら車いすをあやつり、相手のコートにショットを決める、車いすテニス。18歳の小田凱人選手は、去年から世界4大大会を次々と制してきました。金メダル候補として、初のパラにいどみます。

開会式の旗手も務める競泳の西田杏選手。アジア新記録一つ、日本新記録も多数持っています。生まれつき左腕と右足に障がいがあり、女子50メートルバタフライ(S7クラス)などに出場予定です。

ゴールボールは、視覚障がいのある選手が目かくしを着けて、球に入った鈴の音などを頼りに相手ゴールに球を投げ合います。日本代表女子はいま世界ランク2位で、メダルが期待されます。

「ラグ車」と呼ばれるじょうぶな車いすに乗り、球をつないでトライをめざす、男女混合競技の車いすラグビー。2大会連続で銅メダルの日本代表は、悲願の金をめざします。
パリでパラリンピックは初開催
パリでのオリンピック(五輪)は1924年以来、100年ぶりの開催でした。パラは60年のイタリア・ローマ大会から始まったため、パリで開かれるのは初めて。フランスとしても、92年のアルベールビル冬季大会以来の開催です。
今大会で実施されるのは22競技です。パリ大会で新しく採用されたり、逆に外れたりする競技はなく、前回の東京大会と同じです。種目はボッチャ、柔道、ローイングといった競技の中であわせて10増え、549種目になりました。
シャンゼリゼ通りを入場行進
五輪と同じく、史上初めて競技場の外で開会式が行われます。

選手たちは、観光名所のシャンゼリゼ通りをパレードします。パリを代表する場所の一つコンコルド広場に集まり、開会式のパフォーマンスがくり広げられます。
世界遺産が競技会場に
競技会場もパリとその周りにある名所を活用します。
中には、ユネスコの世界文化遺産に登録されている場所もあります。エッフェル塔の下は、5人制サッカー(ブラインドサッカー)の会場に。フランス国王がくらした、華やかで豪華なベルサイユ宮殿は庭園を馬術で使います。ほかにも、1900年の万国博覧会のために建てられたグラン・パレ、英雄ナポレオンがねむるアンバリッド、パリ中心部を流れるセーヌ川にかかるアレクサンドル3世橋が使われます。
五輪と同じマスコット
パリ大会のマスコットは「フリージュ」といい、大会史上初めて、五輪・パラ共通で使われています。フリジア帽という円すい形の帽子がモチーフです。フリジア帽は、フランスの有名な絵画「民衆を導く自由の女神」などにもえがかれていて、国民にはなじみ深いアイテムです。

パラリンピックのフリージュは右足が義足で、競技用のブレードを着けているのが特徴です。新しいことに挑戦するのが大好きな性格です。

今回のパリで17回目
パラリンピック 世界トップクラスの障がい者スポーツの大会です。オリンピック(五輪)と同じで、夏と冬にそれぞれ4年に1度、五輪と同じ場所で開かれます。選手が公平な条件で勝負できるように、競技ごとに用具やルールが工夫され、障がいの種類や程度によってクラス分けがあります。
1948年にイギリスの病院で開かれた、けがをした兵士によるアーチェリー競技会が起源で、今回が17回目です。
(朝日小学生新聞2024年8月27日付)

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