基礎をかため切る 取り組みにも集中

算数編

多くの塾ではこの時期からすべての単元の総復習に取り組みます。「理解が不十分かもしれない」と気がついたところがあれば、テキストの基本問題を解き直すなどして必ず補強します。こうした積み重ねが弱点の克服につながり、過去問での得点力アップにも結びつきます。

算数の入試問題は、基本的なレベルの問題から応用的なレベルの問題に進むという構成がめだちます。そのため「順番どおりに解いていこう」と考える受験生がいるかもしれません。ところが学校によっては大問1や、大問のなかの前半の小問に難易度が高い問題をもりこむところがあります。こうした出題につまずき、手をつけることができない問題があった……。こんな事例も少なくありません。

ほかの科目(教科)と同じように、過去問の演習では最初に問題全体に目を通すことを徹底します。「どの大問から解くべきか」「それぞれの大問にどれだけの時間をかけるべきか」などを見きわめ、解く順番と時間の配分を決める練習を重ねます。

秋からの勉強は過去問の演習が軸になりますが、入試レベルの問題を解くための「土台」になる基礎や基本をかため切ることも欠かさないようにします。

計算練習がその一例です。本番の入試では、受験生の正答率が高めの一行問題などでミスをしたくありません。すばやく正確に計算する練習を毎日つづけましょう。自分が出した答えを確かめる検算も習慣にしてください。

イラスト・若泉祥子

(朝日小学生新聞2024年9月7日付)