はがきを出すときは63円から85円に――。日本郵便は1日、郵便料金をいっせいに上げました。消費税が上がったときをのぞけば、いっせいに値上げするのは1994年以来30年ぶりです。この機会に、日本の郵便に目を向けてみませんか。郵便のはじまりや、さまざまなデザインのポスト、郵便物が届くまでのしくみを紹介します。(中尾浩之)

1日からはがき85円 定形郵便物110円に 郵便料金の値上げにあわせ登場した新しい切手 日本郵便提供

手紙の量が減り人件費や燃料費増えて

新しい郵便料金で、これまでは重さによって84円か94円だった「定形郵便物」が、すべて110円になりました。手紙やはがきを早く届ける「速達」や、A4サイズの専用の封筒で重さ4キロまで全国同じ料金で送れる「レターパック」のサービスも値上げしました。

11月1日から売り出される2025年用の年賀はがきも、通常のはがきと同じ85円になります。

値上げの理由について日本郵便は、2001年度をピークに郵便物の量が大きく減ったこと、人件費や燃料費などサービスを続けるためのお金が増えたことなどを挙げています。郵便物の量が減った背景には、手紙などのやりとりの代わりに、メールやSNSなどを使う人や会社が増えたことなどがあるといいます。

郵便料金の値上げを受け、料金の表示やデザインを新たにした切手やはがきなどが、9月から登場しています。

郵便制度は明治4年から 前島密さん提案

日本の郵便は、1871(明治4)年にスタートしました。それまでは飛脚と呼ばれる人たちが手紙を運んでいましたが、配達される地域が限られたり、届かないこともあったりしたといいます。のちに「日本郵便の父」とされる前島密さんが、日本の近代化のために郵便制度を提案しました。

東京と京都・大阪間で始まり、翌年、全国に広がります。その後、郵便はがきの発行、小包の取りあつかい開始、記念切手の発行など、制度やサービスが充実していきました。

1901(明治34)年に赤い郵便ポストが登場。それまでは、木でできた黒い角柱形のものでしたが、火事から郵便物を守るため、鉄製の赤い円柱形のポストを試験的に設けたのが始まりです。

差し出し口が二つある箱形ポストは1961年にためしに導入され、翌年に実用化されました。いまは、地域の食べ物や産業をデザインしたポストもあります。でかけたとき、探してみるのもよさそうです。

日本郵便によると、郵便ポストの設置本数は2024年3月末時点で17万3935本です。

ポストもいろいろ 日本の郵便を深掘り

速達用の青いポスト(右)=23年、東京都中央区 ©朝日新聞社
まんが「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄さんの出身地にある「高岡市ドラえもんポスト」=20年、富山県高岡市 ©朝日新聞社
香川県・小豆島の特産品、オリーブにちなんだ「幸せのオリーブ色のポスト」=6月、香川県小豆島町 ©朝日新聞社
プラモデルの生産がさかんな静岡市にある「組み立て前のプラモ」をイメージしたポスト=2022年、静岡市 ©朝日新聞社
水深約10メートルにある海中の郵便ポスト=22年、和歌山県すさみ町 ©朝日新聞社

この記事は有料記事です。

デジタル版をご購読いただくと、記事の続きをお読みいただけます。

今すぐ登録(キャンペーン実施中)

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

ログインする

購読のお申し込み

紙の新聞版

朝日小学生新聞

2,100
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

朝日中高生新聞

1,200
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

デジタル版

朝小プラス

1,900
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介

朝中高プラス

1,050
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介