
難民キャンプで生まれ育ったリタ・イヤードさん
中東のイスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの戦争が去年10月7日に始まって1年になるのを前に、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に住むリタ・イヤードさん(11歳)が、朝小にメッセージを寄せてくれました。リタさんは、2021年に朝小の取材を受けたのをきっかけに、オンラインで読者といっしょに折り紙をつくるイベントに参加するなど、朝小との交流を重ねてきました。
子どもにも銃を向ける兵士
私は、11歳の小学5年生です。去年10月以来、私が暮らすジャラゾン難民キャンプでも、イスラエルによる攻撃が増えました。この戦争で、私たちの生活の平穏はくずれてしまいました。両親はほとんどの時間、ニュースを気にしてばかりで、前のように私といっしょに遊んだり、出かけたりする余裕はありません。

私の学校はイスラエル人の入植地の向かいにあります。私は友だちと笑いながらおしゃべりし、ジョークを交わす時間が好きです。でも時々、イスラエルの攻撃で命を落としたり、私たちのように学校に通えなくなったりしたガザの子どもたちについても話し合います。私の通う学校も、ガザの学校のようにイスラエルによってこわされるのではないかと、こわくてたまりません。

約1か月前の朝のことです。学校に向かう途中、イスラエル軍による難民キャンプへの攻撃があり、学校にたどりつくことができませんでした。彼らは人々に向けて発砲しました。とてもおそろしくて、私は涙を流しながら家にもどりました。イスラエル兵が、まだ子どもである私のクラスメートを銃撃したり、拘束したりしているのを見ると、私はいつも不安になります。
パレスチナの解放を祈ってください
10月1日の夜、私は母と一緒に、イランがイスラエルにうったミサイルが飛んでくるのを見ました。恐怖でいっぱいになり、(日ごろからこわい目にあっている)ガザの子どもたちを思いました。
私はこの戦争が今すぐに終わり、平和に暮らしたいと願っています。私は、かつてふるさとに存在した平和を切望しているのです。
平和な環境で育ち、小学校の先生になるのが夢です。だって私は子どもたちが大好きだからです。
いつか日本に行き、静かな環境でみなさんと一緒に楽しいことをしたいと思っています。
日本の子どもたちに、最後にこう伝えさせてください。Please pray for Palestine to be free. (パレスチナが解放されるよう祈ってください)
争い続くパレスチナ、難民キャンプで生まれ育った小学生の思いは
朝小プラスまなび
(朝日小学生新聞2024年10月5日付)

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