
相談
通塾中の小4女子の保護者です。今のところ子どもは夜9時にはベッドに入り、9時半には就寝しています。5年生からは週3回夜9時までの通塾になるので、耐えられるか今から心配です。就寝時間を少しずつ遅くしていったほうがよいのでしょうか? ただ、夜9時半を過ぎるとなかなか翌朝7時に起きられません。中学受験をする子たちは夜11時まで勉強していると聞いたりもします。男女で体力も違うでしょうし、実際のところどうなのでしょうか?
【浜学園】教えて!松本学園長
小学校の6年間で、体力的なものも精神的なものも、それぞれずいぶん差が出てきます。体力的には中学生かと思うような子もいれば、幼さをもったまま中学入試を迎える子もいます。
塾に通っていると、みんな同じ時間帯で勉強するというのは仕方がないことです。「うちの子どもは夜8時半に寝ています」とおっしゃられても、塾によっては夜9時過ぎま で授業をしていることがありますから、個人差があるとはいえ授業中に眠くなってしまうと困りますので、もう少し就寝時間を遅くされてはどうでしょうか・・・というお話になってくるかと思います。
だからといって、受験生みんなが夜11時まで勉強していますか?・・・というところですよね。確かに就寝時間だけを捉えて見ると、そういう言い方になってしまうかもしれませんね。 現代の小学生は塾のほかにも習い事があるなどして、お家での勉強の環境は人それぞれ違います。下に弟妹がいて、その小さな子どもたちが寝るまで勉強が手につかないということもあるでしょう。また反対に中高生などの兄姉がいると、自然と家庭のタイムスケジュールが夜型になっていくでしょう。こういうことでも勉強の環境は家庭によって異なってきます。人それぞれ使える時間は違うのです。
健康面においても、例えば常に寝不足であったりすると育ち盛りにはよくないなど、いろいろと気をつけておられることもあるでしょう。そういうことも考慮して、勉強時間はある程度の時間で区切らないといけません。そうすると、塾の授業などがない日の時間をどう使うかが重要になってきます。
ただ、環境などによって「使える時間」というのは人それぞれ違います。例えば家からの通塾時間も家庭によって違いますよね。小学校によっても時間の使い方などが違ってきます。こういった仕方がない部分もあるのです。
ですから大切なのは「使える時間をどう有効的に使っていくか」ということです。
時折「夜〇時まで起きていないと中学受験なんて!」と簡単に言われたりしますが、人それ ぞれの事情で全然違うのです。それよりもその中で、どうやって勉強の中身を濃くしていけるのかが重要なのです。
また体力的に睡眠時間を考えて・・・ということであれば、それ以外の空いている時間にきちんと勉強に取り組んでいるかどうか?ということが問われてきます。
時間いっぱい頑張って取り組んでいるのなら、それ以上時間は使えないわけですから、仕方がありません。でも例えば、ついつい遊んでしまって夜9時半に眠そうな顔をしているのであれば、それまでの時間に、やらなければいけないことを、きちんと入れておかなくてはなりません。
何時まで起きていられるかも、人それぞれです。ただ6年生の一年間には幼い小学生ながらに、ある程度、体力もついてきます。特に夏あたりから。私たちのように塾に勤めている者は、新小6がスタートした2月頃(小学校ではまだ5年生ですね)に塾の教室で授業を始めると子どもたちが幼く感じられるのですが、受験勉強の1年間で精神的なものを含めて急激に大人になっていきます。小3と小4の差や小4と小5の差とは比較にならないくらい、小6受験生の1年間の成長は違います。このように6年生は体力的な成長もできるでしょうし、勉強量も多いので仕方がない面もあります。
ただ4年生の今、そして5年生では、それぞれ使える時間をいかに充実させておくかということを一生懸命に頑張っていただくとよいと思います。
眠い子どもに寝るのを我慢させることから始めるのではなく「今、使える時間をどう使っているか」というのを見直すところから、ぜひ始めてください。
松本 茂

進学教室 浜学園 学園長。浜学園講師歴24年。社会科主席主管を務めたのち、2022年4月に学園長に就任。朝日小学生新聞での連載など子ども向け時事問題提供に取り組んでいる。
浜学園とは
浜学園は1959年創立。灘中合格者数19年連続日本一をはじめ、関西最難関中の8校でも合格者数日本一を達成するなど、関西でトップの実績を上げる進学塾です。本部は兵庫県西宮市。2022年現在、関西・東海・沖縄に46教室を開校しています。

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