
イスラエルとハマスの戦争開始から1年
去年10月7日、ハマスがイスラエルを攻撃し、約1200人が殺され、約240人が人質として連れ去られました。この仕返しとして、イスラエル軍はガザを攻撃。空爆などで、これまで4万1千人以上が亡くなっています。
イスラエル軍は9月末、中東のイエメンや、親イラン組織ヒズボラが活動するレバノンも空爆。イランが10月1日、イスラエルをミサイルで攻撃するなど、紛争が中東全体に広がっています。

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中東のイスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの戦いは、終わりが見えません。この戦争が始まってから、7日で1年です。パレスチナの子どもたちはどう過ごしているのでしょうか。国際協力機構(JICA)パレスチナ事務所の松野素子さんに聞きました。(中塚慧)
おつかいに出た子も犠牲に
パレスチナ事務所があるのは主な戦場のガザ地区ではなく、ヨルダン川西岸地区です。ここでも、イスラエル軍や、パレスチナ自治区の土地をうばって移り住んだイスラエル人による暴力が後を絶ちません。国際連合によると、戦争が始まってから9月30日までに695人のパレスチナ人が亡くなりました。衝突の結果、パレスチナ人に殺されたイスラエル人もいます。
パレスチナにはもともと、ふるさとを追われた難民とその子孫が多く暮らしています。こうした人たちが暮らす難民キャンプでは「イスラエル軍にブルドーザーで家がこわされ、水道網や電線、道路なども破壊されている」と松野さん。「おつかいに出た子が、撃たれて亡くなるということが起きています」
JICAは難民たちが暮らす場所の環境をよくする活動を続けています。「ある難民キャンプでは、水道を通す計画だった道路がこわされました。多くの住民が途方に暮れています」
移動の自由もうばわれています。自治区内には、移動のときに通らなければならない検問所がいくつもあり、そのチェックが強められました。「急病なのに病院に行けなかったり、仕事に行けなくなったりしています」
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