「自分たちのことは自分たちで決めたい」――。そんな思いから生まれたのが民主主義です。大切なのが選挙。私たちは自由な選挙を通じて、自分と考え方の近い候補者や政党に投票できます。みなさんが実際に投票できるのは18歳から。そのときに備えて、いまの日本で何が問題で何が必要とされているのか、さまざまな「論点」について考えていきましょう。

選挙での投票の方法は、国によってちがいます。例えば、日本の衆議院議員選挙では、「小選挙区制」と「比例代表制」を組み合わせた「小選挙区比例代表並立制」を採用しています。投票方法は、投票者が候補者名や政党名を書く「自書式投票」です。世界ではめずらしく、多くの国はチェックマーク( )などの印をつける「記号式投票」です。日本でも、地方議会の議員や首長(知事や市町村長など)の選挙では、記号式投票を採用しているところもあります。
※参議院議員選挙は、選挙区制と比例代表制で行われています。
❶すべての人が選挙に参加できるしくみ
文字の読み書きができない人がいたり、国の中で複数の言語が使われていたりすると、自書式投票が難しい場合があります。識字率が低い南スーダンでは政策を示すイラストに印をつける、複数の言語が存在するインドネシアでは政党のマークに印をつける、などの工夫がされています。
❷インターネットで投票できる国
インターネット投票をさきがけて採り入れた国がエストニアです。国民番号が記されたIDカードなどを利用して、インターネットでの投票を可能にしました。この投票方法は手間が省けて投票率向上が見込める一方で、情報がもれないよう注意する必要があります。
❸日本の投票制度の工夫
日本には、投票日前に投票できる「期日前投票」や、選挙期間中に仕事や旅行などで指定地域以外にいる人が滞在先などで投票できる「不在者投票」といった制度があります。こうした制度によって、選挙に参加できない人をなるべく減らす工夫をしています。
直接選挙と間接選挙
「直接選挙」とは投票をする人が直接、議員や政党などを選んで投票する制度のことで、日本では国会議員や地方議会の議員の選挙に採り入れられています。「間接選挙」は有権者の代表として選挙を行う選挙人を選出し、その人らが最終的に投票する制度です。アメリカの大統領選挙は間接選挙です。
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