江戸川乱歩=1955年 ©朝日新聞社

日常の先にある非日常の ぶきみな空気

江戸川乱歩は、大正時代末期から昭和にかけて活躍した推理作家です。1936~62年に発表された、子ども向けの「少年探偵団」シリーズが大ヒット。多くの小学生に愛読されています。

このシリーズは、名探偵・明智小五郎と、その弟子の小林少年が団長を務める少年探偵団が、変装の達人・怪人二十面相と対決する様子をえがいています。

石川さんによると、少年探偵団シリーズは、いつの時代も学校の図書室に入っています。

「怪人二十面相は、高価な美術品や宝石をねらう大怪盗ですが、血がきらいで、人をあやめない。乱歩は戦争の悲さんさを知る作家なので、暴力的で血の流れる小説を子どもに読ませたくなかったのかもしれませんね。そういった点で、少年探偵団シリーズは学校の図書室に向いているのです」

しかし、シリーズを通して、ぶきみな空気が流れています。乱歩の小説は、大人向けのものもふくめて「おどろおどろしいものが、日常と連続しているところにあるように書かれています。ふとした瞬間に、非日常にすべり落ちてしまうこわさがあります」。そこが、読者をどきどきさせるようです。

明智探偵と少年探偵団は、怪人二十面相と、たがいに知恵をしぼってトリックを使いこなしたり、相手の裏をかいたりします。「そうした競争関係のおもしろさは、時代をこえて子どもを夢中にさせるのではないでしょうか」

この記事は有料記事です。

デジタル版をご購読いただくと、記事の続きをお読みいただけます。

今すぐ登録(キャンペーン実施中)

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

ログインする

購読のお申し込み

紙の新聞版

朝日小学生新聞

2,100
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

朝日中高生新聞

1,200
月額(税込み)

申し込む

お試しを申し込む

サンプル紙面

デジタル版

朝小プラス

1,900
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介

朝中高プラス

1,050
月額(税込み)

申し込む

デジタル版の紹介