
「所さんの目がテン!」放送35年 身近な疑問にせまり続けて
身近なテーマに科学の視点からせまる番組「所さんの目がテン!」(日本テレビ系、日曜午前7時放送)が10月、放送開始から35周年をむかえました。番組の司会を務める所ジョージさんは、「自分が笑えているうちはやり続けたい」と語ります。読者の小学生に向けて、人生のアドバイスも寄せてもらいました。(佐藤美咲)
自分で決めると人生楽しいよ
「所さんの目がテン!」は、1989年10月1日に放送が始まりました。初回は、「超高層ビル」をテーマに、30階の高層と4階の低層ではどのくらい環境が異なるのかを検証。高い階ほど洗濯物がかわきやすいなどの結果を出しました。このほかにも、ニワトリの有精卵(受精した卵)を人間の体温で温めてかえす実験や、コピー機がコピーできる理由など、身近な疑問を探ってきました。
2014年から企画が続く「かがくの里」は、荒れ果てた里山の再生をめざすプロジェクト。専門家や地域の住民と力を合わせた取り組みは、生き物の生態系を守ることなどにもつながっています。
昆虫カメラマン「Tokyo Bug Boys」が里山で撮影した昆虫の写真や映像からは、知られざる生態などを知り、昆虫のありがたみを感じたといいます。「ぼくらが昆虫たちの世界を知らないだけで、昆虫って一生懸命やっているじゃんと思ったね。物事を知れば、見方やふれあい方が変わると思います」
気楽に見られる日曜朝7時
番組が愛されてきた理由については、「日曜朝7時っていう、なんかまだ目がボーッとしているときに放送しているので、見るほうもそんな気を張って聞かなくてもいい。でも内容は、いい情報を間違いなく毎回言っているんで。そこが魅力だと思いますよ」。
この番組のほかにも、多くのレギュラー番組をかかえている所さん。番組が長く続くひけつについては、「ニュース性にしがみつくと、ニュースといっしょに終わってしまう。スタンダードな疑問を取り上げ続けることがいいのかなと思っています」と語りました。

経験で宝箱の中身増えていく
Q(質問) 好奇心をかきたてる番組ですが、好奇心や探究心を持ち続けるためには?
A(所さんの答え) ネットですぐ答えを求めようとせずに、小学生には「経験することが大切」と伝えたいね。
便利なものにのっかっていると、すかすかの人生になってしまうと思う。きょうはペットボトルでお茶を飲むのはやめて急須でお茶をいれてみたり、いろいろな経験をして、大人になってほしい。自分の身で経験することで宝箱の中身は増えていくはずだから。
Q 人生を楽しく生きるには?
A 周りのよしあしにしたがうのではなく、自分でよしあしを判断すること。みんながやっていることにのっかるのは安全だけれど、そんなのは自分じゃないと思うことが大切。
だれかにおくりものをするときも、周りが選んでいるからではなく、自分がいいと思ったものをおくるのがいい。失敗もあるかもしれないけれど、それも経験だよ。
所ジョージ(ところ・ジョージ)

1955年1月26日生まれ、埼玉県出身。司会のほか、シンガー・ソングライター、俳優など、多方面で活躍。「世界まる見え!テレビ特捜部」「1億人の大質問⁉笑ってコラえて!」(ともに日本テレビ系)など出演多数
(朝日小学生新聞2024年10月29日付)

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