静岡に「ポストプライシング」導入の水族館
お客さんが満足度によって後から値段を決めて払う「ポストプライシング(値段の後決め)」という仕組みを取り入れた、めずらしい水族館があります。静岡市の「スマートアクアリウム静岡」です。なぜ取り入れ、水族館はどう変わったのか聞きました。(中尾浩之)

1人あたりの金額⤵ でも売り上げ⤴
「実は、ポストプライシングを始めてから売り上げは伸びているんですよ」――。
そう話すのは、スマートアクアリウム静岡を運営するアクアメント(兵庫県)の小林弘嗣さんです。
入館料はふだん、小学生で800円、中学生以上で1400円ですが、5月から平日を対象にポストプライシングを導入。展示を見終えた後、出口で思い思いの入館料を支払ってもらうようにしました。
なるべく安く見たい、と考えるのは自然なことです。小林さんによると、ふだんの価格より多く払う人はやはり少ないそうです。
なのに、なぜ売り上げが増えたのでしょうか。
その理由は、自由に入館料を決められるようになり、訪れる人が導入前の約1.8倍に増えたからです。
売り上げとは、全員が払った入館料の合計です。ポストプライシングでは1人あたりが払うお金は減りましたが、訪れる人数がだいぶ増えたので、導入前より売り上げは増えたのです。

ポストプライシングの導入によって「新たなファンづくりにつなげたい」との狙いもありました。
この記事は有料記事です。
デジタル版をご購読いただくと、記事の続きをお読みいただけます。