決選投票で再び石破さんが首相
10月27日の衆議院議員選挙の後、初めてとなる国会(特別国会)が11日に開かれました。首相の指名選挙が行われ、決選投票の末、自由民主党(自民党)の石破茂総裁が第103代内閣総理大臣(首相)に選ばれました。(松村大行)

立憲の野田さん、野党まとめきれず
首相は国会議員の中から、衆議院と参議院での投票によって選びます。立候補はなく、それぞれの議員が首相にふさわしい人の名前を紙に書きます。二つの議院でちがう人が指名されたら、衆議院のほうを優先します。
1度の投票で選ばれるには、全議員の半分以上(過半数)の支持が必要です。議員が465人いる衆議院の過半数は233。選挙で議席を大きく減らした自民党(191議席)と、連立を組む公明党(24議席)は数が足りず、石破さんは221票にとどまりました。一方、選挙で148議席に増やした立憲民主党の野田佳彦代表も野党の支持を集めきれず、151票どまりでした。
朝小プラスまなび
自公は「少数与党」に
どちらも過半数に届かなかったので、決着は30年ぶり5度目の決選投票にもつれこみました。1回目の投票で上位2人のどちらかの名前を書く決まりです。結果は石破さんが221票、野田さんが160票。ほかの人の名前を書いたものが84票もあり、すべて「無効」となったことが石破さんに有利に働きました。
10月に始まった石破首相の政権が続きます。ただし、自民党と公明党が過半数に届かない「少数与党」となったため、国会で法律や予算を成立させるには、野党の賛成が欠かせなくなります。
国会のおもな種類
通常国会 年に1度開くことが憲法で定められている。1月から始まることがほとんどで、期間は150日間。必要ならば、1度だけ延長できる。おもに次年度の予算について話し合う。
臨時国会 内閣が必要と考えたり、衆議院、参議院どちらかの院の4分の1以上の議員が要求したりしたときに開かれる。秋から冬にかけて2、3か月ほど開かれることが多い。
特別国会 衆議院議員総選挙の日から30日以内に開かれる。衆議院の議長や副議長などを決めた後、両方の院で首相を決める選挙をする。数日間で終わることがほとんど。
衆議院議員は 25~84歳まで465人
「新顔」は99人

今回の首相指名選挙で投票をした衆議院議員465人は、10月の選挙で当選した人たちです。どんな人が集まったのか、朝日新聞の当選者のデータからまとめました。

平均年齢は55.55歳(当選時点)。最年少は自民党の大空幸星議員(25歳)、最高齢は同じく自民党の麻生太郎元首相(84歳)です。当選の回数が最も多いのは、1969年の選挙から19回を数える立憲民主党の小沢一郎議員です。
「衆議院デビュー」した新顔の議員は99人。そのうち、289ある小選挙区で当選したのは34人に限られます。とはいえ、地方自治体の議員や議員の秘書、国の機関で働く官僚など、政治に関わってきた人が目立ちます。
公表されている学歴では、東京大学・大学院を出た議員が最多の79人。早稲田(51人)、慶応(35人)、京都(16人)と続きます。海外の大学や大学院を出た議員も36人。大学に進学していない議員もいます。
(朝日小学生新聞2024年11月13日付)

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