
傷がつきにくい化学強化ガラス
スマートフォンの画面は多くが化学強化ガラスでできています。落とすと割れることがありますが、その割れ方が特徴的です。クモの巣の形のようにひびが入ることが多いのですが、なぜそんな割れ方をするのでしょうか。専門家に教えてもらいました。(浴野朝香)
表面・内部にかかる二つの力で強く
スマートフォンやタブレット端末の画面は指先や専用のペンなどで何度もふれるため、表面に傷がつきにくいように、化学強化ガラスで作られています。

どうやって傷つきにくくしているのでしょうか。ものがこわれる過程を研究している海洋研究開発機構(JAMSTEC)の廣部紗也子さんによると、このガラスの表面付近には全体的に縮まろうとする力がはたらいています。そのため、表面に小さな傷が入ったとしても傷が閉じ、ひびが広がりにくいのです。
その力を生み出しているのは、ガラスの中のイオンという電気を帯びた粒です。この粒を表面付近だけ大きな粒に置き換えると、まるで満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めの状態になり、小さな傷ができても押しつぶされるように傷が目立たなくなります。
ただしそれだけだとガラスが変形してしまいます。そこでガラスの内部には逆に引きのばされる力がかかっています。この二つの力がつり合うことで化学強化ガラスは成り立っています。
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