
【理科編】☆From 灘
「書いて消す」のタイプいろいろ
みなさんの教室には黒板とホワイトボードのどちらがありますか。黒板はチョークで書いて黒板ふきで消します。ボードは水性ペンのホワイトボードマーカーで書いてボードふきで消します。
二つは、色のほかに何がちがうのでしょうか。一度試しにホワイトボードに色チョークで書いてみましょう。全然書けませんよね。
チョークは、粉を固めた固体でできています。黒板の表面には細かい凹凸があり、チョークをこすりつけると粉がけずられて表面に残り、字になります。消す場合は、黒板ふきで粉をふき取ることによって消します。
ホワイトボードにチョークで書こうとすると、ボードはなめらかで凹凸がないため、チョークがけずられることがなく、書けません。
一方、ホワイトボードマーカーは液体のインクがペン先から出て、液体はなめらかな表面でもぬらすことができるので字になります。黒板にもマーカーで書くことができます。ただし、凹凸のすきまにインクがしみこんでしまって、ふき取りはめんどうです。
固体で書くか液体で書くかでそれぞれ特ちょうがあるわけですね。ちなみに鉛筆は固体タイプ、毛筆は液体タイプです。え? 気体タイプの筆記具はあるかって?
うーん、特殊な例ですが、航空ショーなどで飛行機が煙で空にオリンピックの五輪マークをえがくことがありますね。あれは気体(煙)で気体(空気)に字を書いていることになるんじゃないかなあ。

灘中学・高校 理科教諭 浜口隆之
(朝日小学生新聞2023年3月10日付)

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